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ー 東日本大震災でつぶやきが注目される
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ー ギスギス社会に光を与えるつぶやき

 2008年にスタートした日本版のツイッター。以降は国内ユーザー数も右肩上がりに増加し、ツイッターを積極的に活用するユーザー数は現在4500万人を優に超える。日常に起こった感動エピソードが全世界に拡散され、感動の連鎖を生むというのもまたツイッターならではの現象だ。

「ここ数年はコロナ禍の影響で在宅時間が長くなったこともあり、家事のコツや自宅時間の楽しみ方の豆知識といったようなツイートが人気を集めていますね。また、最近はマンガのほか、ひと目で“すごい”と思わせるような動画を載せたツイートも頻繁に拡散されています。

 ただ、16年間という長い目で俯瞰してみると、やはりバズる(=人気を得て広く拡散される)のは、日常のおもしろネタや、周囲の人の名言、普段はなかなか立ち会えないような感動エピソードなどのツイート。どの時代にもこういった“深イイ話”は話題になりやすいですね」

 そう教えてくれたのは、SNSマーケティングの代理店である株式会社コムニコの取締役・長谷川直紀さん。

東日本大震災でつぶやきが注目される

 2011年の東日本大震災の際には、ツイッターが情報インフラとして大きく躍進。現地からの災害情報だけでなく、被災地へ向けた応援メッセージや、罹災者の心のケアとなるようなつぶやきも広く拡散されるようになった。

 最近では、ロシア軍によるウクライナ侵攻を受けて、平和・反戦を願うツイートが多くつぶやかれ、繰り返されるリツイートで世界じゅうに拡散されている。そのときの世界情勢が瞬時にツイッターに映し出されているのだ。

「リアルタイムで起こっている出来事について共有できる“即時性”もツイッターの重要な要素です。2020年以降のコロナ禍でも、玉石混交のつぶやきが飛び交うなかで、誰かの心を癒すようなツイートは多く拡散されてきました。そういう殺伐としやすい社会不安のなかでこそ“イイ話”は目にする人に刺さりやすいのかもしれませんね」(長谷川さん、以下同)