すっかり“おばあちゃんのアイドル”になり、愛されすぎて困ったことも。

「売り出し中の松居直美とロケをやったとき、彼女が冗談で“凡ちゃん、バッカじゃない!”って言ってきたんです。そしたら、その場にいたおばあちゃん10数人が彼女を取り囲んで“凡ちゃんに何てこと言うんだ!”と、杖で殴りかからんばかりに罵倒して。“まあまあ、冗談なんだから”って必死になだめましたよ(笑)。直美とは仲よしだったのに、それ以来、私に寄りつかなくなりましたね」

収録のたびに救急車3台

 人気を受けて、『風雲!たけし城』(TBS系)に出演することに。大木が出たのは『街かどテレビ』そのままのようなコーナー。

『風雲!たけし城』は参加者が難関を攻略して、城主・たけしに迫るゲーム型バラエティーだった
『風雲!たけし城』は参加者が難関を攻略して、城主・たけしに迫るゲーム型バラエティーだった
【写真】『風雲たけし城』時代の“殿”が若い!

「素人がカラオケで歌詞を見ずに歌うんです。歌い切れないと、怖いお兄さんが2人出てきて、連れていかれちゃうっていう。あの番組は、今では放送できません。参加者がロープの上から落ちたり、池の石にぶつかったりすると“ゴン!”ってものすごい音がしていたんですよ。放送では音を消しているから、視聴者は笑えたわけ。実際には収録のたびに救急車が3台も来ていました」

 大木自身も過酷なロケに挑んだことがあった。

「『凡ちゃんの探検隊』という番組で、エベレスト登山隊が訓練で登る壁を登りました。斜面の角度は90度どころか、100度以上ですよ。落ちなかったんですが、くるぶしあたりをとがった石でこすって、血がぽたぽたと落ちて、ズボンもズタズタに裂けて、全身が血だらけになりました」

 当時は、今では考えられない危険なロケが多かった。中でも1番は『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』(日本テレビ系)だった。

「たけしさんとテリー伊藤さんがアイデアを出して、どんどん過激になっていくんです。Mr.オクレは海の上に高く張られたワイヤーにかけた縄につかまり、移動するゲームで、ズルズルと下に落ちてしまいました。でも命綱がないので、手を離したら消波ブロックに激突する事態に。なんとか浜辺の上まで移動できて、事なきを得ましたが、両手には縄の形にくぼみができていました。次は私の順番だったのですが、さすがに中止になりましたよ」

 “〇×クイズ”では、グレート義太夫と対決。

「砂浜を走って、〇か×のボードを選択し、突き破って飛び込みました。正解した私は大丈夫でしたが、不正解の義太夫は2階くらいの深さがある穴に落ちて、脚を複雑骨折。砂浜だって、そのぐらいの深さを掘れば、底はコンクリート並みの硬さになるんです」