宝泉薫さんによる『週刊女性』の名物連載「人生アゲサゲ分かれ道」。今、ニュースな森香澄さんを取り上げます!
オードリーの若林正恭が、休養することを発表した。喉のコンディション不良が理由だ。
2月14日にはオードリーとして出演するラジオ番組で、「声帯がボロボロ。まったく声を出したらいけないんだって、3週間」などと発言。所属事務所からも「約3週間をめどに」「治療と静養に専念」するという説明がなされた。
とはいえ、コンディション不良は慢性的なものらしい。20日には初の小説『青天』も出版されたことから、明るい話題も出るタイミングで、ちゃんと回復させることにしたということかもしれない。
声を張るタイプの芸人ではないが、四半世紀もやっていると、酷使の影響も出てくるはず。また、若林はこれまで過呼吸発作や片頭痛にも悩まされてきていて、年齢的にもちょっと不安を覚えているのではないか。
そもそも、芸人が右肩上がりに売れ続けることはない。経済用語でいうところの「ピークアウト」がどこかで起き、あとはそこに近い状態をどう持続させるかの勝負だ。
若林にとってのピークは'23年、彼と山里亮太(南海キャンディーズ)の半生を描いた連ドラ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)が放送されたあたりだろう。彼を高い橋海人(※高=はしごだか)、山里を森本慎太郎という人気アイドルが演じた。
ドラマ化されるくらいだから、ふたりの関係はなかなか面白く、山里が'18年に出した著書『天才はあきらめた』の解説を若林が書いたりしている。それによれば「人見知り」で「陰湿」だという両者は初対面の際「楽屋にいるのが嫌」「飲み会が嫌い」といった話題で意気投合。ふだんのコンビとは別に「たりないふたり」というコンビを組んで、漫才をやるようにもなった。
ただ、1歳上の山里に対し、若林は嫉妬もあらわにしている。自分のツッコミが山里ほどはウケていないことを鈴木拓(ドランクドラゴン)にいじられたことなどを例に挙げ「たりないふたり」でもボケ担当を直訴したと自虐。また「語彙力やワードのチョイスのセンスを軸にしたツッコミ」では山里にかなわないとして「うるせぇな!」や「やめろ!」のような「第一次的な感情でのツッコミにシフトチェンジした」とも記していた。
そのうえ、こんな予言めいた一節も。
《彼が、愛をさらに膨らまし伴侶を見つけでもして、人情系あったかMCになるのがぼくは怖い》
この翌年、山里は蒼井優と結婚。今では週6日、朝のワイドショーや情報番組でMCをやっている。
一方、この解説を書いた当時、若林も女優の南沢奈央と交際中だったが、年内に破局。山里から5か月遅れで一般女性と結婚したものの、さすがに山里ほど話題にはならず、ポジションが劇的に上がることもなかった。そして今回、改めて感じたのが、体力の差だ。ささいなことで炎上する時代に、山里が週6日も生放送をこなせるのは心身共にタフな証拠だろう。
とはいえ、最近の山里には脇役タイプの人がメインを張っていることの暑苦しさも感じてしまう。その点、若林はあまり変わらないというか、独特の脱力感が心地よい。『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で聞ける芸能批評的な指摘は、こちらとしても大いに参考になるものだ。
それゆえ、ここは無理せず、ゆっくりと休養してほしい。もともと、前に出て目立つ芸風ではなく、それでこそ、春日俊彰のようなキャラが渋滞ぎみの相方を自在に操れるのだから。
ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。






















