すぐに始められる10個の裏ワザはコレ!

まずは王道ワザで確実に増やす!

 低リスクで貯まる・節約できるのがこちらの王道ワザ。イデコなど、貯め方を変えるだけで大きな節税効果が得られるものも。まずは確実に老後資金を増やすべし!

1 夫は「継続雇用」で、妻は「非正規」で1日でも長く働く

 妻が月10万円のパートを10年続けると…
月10万円×10年=1200万円+年金が約6万円増

 公的年金をもらい始める65歳まで稼げるだけ稼ぐことが大事。さもないと、年金をもらう前に貯金を取り崩す最悪の状況に。

「会社員なら継続雇用制度を利用して、65歳まで働くのがキホン。今は同一労働同一賃金の原則が浸透し始めていて、定年後も年収がさほど下がらないケースが増えています」

 専業主婦も、子育てが終わったら働きたい。

「今は人手不足で、特に介護関係、飲食業などの非正規雇用なら、職歴や年齢を問わず働き口はありますよ」

 せっかく働くなら夫の扶養の範囲は気にせず、厚生年金をもらえるように月10万円くらい働くのがおすすめ。例えば55歳から働けば、65歳までの10年間で1200万円になり、たとえ税金を引かれてもかなりの蓄えになる。しかも、厚生年金が年約6万円、25年もらうと仮定すると150万円も増えるのがうれしい!

2 年金は妻だけ70歳に繰り下げて年32万円アップ!

 妻の年金受給開始を5年繰り下げると…
年金が78万円×42%=年32万7600円

 公的年金の受給スタートを遅くする「繰り下げ受給」。遅らせるほどに年金額が増え、その額は生涯続くというからお得! 増額率は、本来は65歳からの受給開始を1か月遅らせるごとに0.7%ずつ。5年遅らせたら42%アップする。「特に女性は平均寿命を考えると、増えた年金額を長くもらえる可能性が高い。

 専業主婦は老齢基礎年金のみでもともとの額が少ないので、もらうのを5年待って年金を増やす価値はあります」 満額の約78万円もらえるとして、5年繰り下げると年32万7600円も増えることになり、これが一生涯続く。一方、夫については平均寿命を考えて繰り下げをためらう人も多い。

「もし65歳以降も働けるなら、受給スタートを遅らせて年金額を増やし、働けなくなってからの安心を手に入れることもおすすめです。働けるうちは年金をもらわずに働く、が基本です」

繰り下げると年いくらに?
65歳…約78万円
66歳→約85万円
67歳→約91万円
68歳→約98万円
69歳→約104万円
70歳→約110万円

3 来月変わる「イデコ」を利用して65歳までがっつり節税!

 年収500万円の人が月2万3000円を10年掛けると…
積立金276万円+所得税&住民税が10年で55万2000円

 イデコとは、自分で積み立てる任意の年金のこと。自分で申し込んで掛け金を出し、自分で運用方法を選んで、掛け金とその運用益を老後に受け取る。 注目すべきは、税制上のメリット。投資で得た利益が非課税になるだけでなく、毎月の掛け金すべてを所得控除できるため、節税効果がとても大きい。

 所得税を納めている人はぜひ利用したいところ。

「50代の人にうれしいのが、今年5月から一定の条件を満たせば65歳まで積み立てできるようになったことです。従来は10年積み立てないと60歳から受け取れないため、50代での加入はおすすめされませんでしたので、朗報といえるでしょう」

 老後資金を投資にまわすことにためらいがある人は、投資をしない「定期預金口座」を選んで、いつもの口座からイデコ口座に毎月移すだけで所得税&住民税の節税効果を享受することも可能!

4 自営業なら「小規模企業共済」で税金を一気に減らす

 課税所得300万円の人が年84万円を10年積み立てると…
積立金840万円+税金が約17万円×10年=170万円

 自営業や小規模な企業の経営者に見逃せないお得ワザがこの「小規模企業共済」。廃業や退職時に備えて積み立てをする制度だ。

 最大のメリットは掛け金すべてが所得控除されること。年に最大84万円を掛けられ、例えば課税所得300万円の人なら年約17万円の節税に。もし10年間積み立てたら170万円もの税金を減らすことができる。

「イデコに似ていますが、途中で掛け金を引き出せないイデコと違って、手持ちのお金がなくなったときは積み立てた掛け金を担保に借り入れもできる点がありがたい制度です」

 自営業者ならではの税金優遇策、使わない手はない。

やらないとソンする3つの理由
1 最大年84万円の掛け金全額が所得控除の対象に
2 自営業者にとって退職金代わりになる
3 資金繰りに困ったら貸付制度もあるので安心