秘密4 再放送できない!お蔵入りになった幻の“事件”

 8年ぶりとなる新シリーズ放送を記念し、日本テレビは『春の金田一祭り~歴代傑作イッキ見せ!~』を開催。2月26日に山田涼介の主演シリーズ第1話を放送し、それを皮切りに過去の傑作エピソードを続々と再放送している。

 映像配信サービス『TVer』および『Hulu』では、地上波で放送されていないエピソードを含めた全シリーズが配信されているが、実は1話だけ公開されていない回があって……。

堂本剛さんが主演を務めた第1シリーズで、記念すべき第1話だった『異人館村殺人事件』が“お蔵入り”扱いになっているんですよ」(テレビ局関係者、以下同)

 人気ドラマの初回となれば、もう1度見たいファンも多いはずだが、なぜ?

「'95年7月に放送されましたが、2年後に一部週刊誌がエピソード内のトリックに“盗作疑惑”があると報じました。盗用元とされる推理小説の作者が《この問題は民事訴訟に発展する》という内容の文章を週刊誌に寄稿して、騒動に発展したんです」

 報道後、原作コミックには“『占星術殺人事件』のトリックを用いています”という文章が明記されるように。加えてドラマ版にも影響が。

「当時リリースされたビデオの初版には収録されましたが、以降は『異人館村殺人事件』は入っていません。DVD版には収められておらず、『春の金田一祭り』でも再放送の予定はないようです」(番組制作会社スタッフ)

秘密5 CGじゃない!当時だからできたセット&ロケ地

 ロケで地方の山奥へ行ったり、遠出も多かった。前出の中山エミリに印象深かったロケ地を聞いてみると、

「北海道の大雪山で撮影したときは、すごく寒くて大変だったのを覚えています。このドラマは、セットもとにかく大がかりでした」

 北海道ロケは、前出の佐野も印象に残っているという。

「あまりの寒さだったから、外で濡れたタオルを振り回したら固まるんじゃないかって、みんなでやったら本当にカチカチに凍りました」

 CGが、それほど発達していなかった時代だからこそのエピソードもある。

「'95年放送の『雪夜叉伝説殺人事件』というスペシャルドラマで、トリックで使われる“氷の橋”があったのですが、それもちゃんと実際の氷で作っていました」(佐野)

 撮り方についても、かなりのこだわりがあったとも。

「同じシーンを何度も撮影したり、時間をかけて丁寧に撮ってました。それに、今でも見たことのないカメラワークがよくありましたね。そのぶん、撮影スケジュールはすごく押していましたが(笑)」

メディア研究家の衣輪晋一さんは『金田一』が採用していた演出について、こんな評価をする。

「堤幸彦監督は『金田一』シリーズで画期的な演出手法を取り入れていました。撮り方にしても、あえて“安っぽい”映像にして、怖さを増すようにするのも、当時は斬新なテクニックでした。その場で台本を書き換えて、アドリブを多用したりするので、唐突なギャグなんかも多いんですよね」

 場所も手法もこだわった映像は今でも色あせない!