ライバーが身を守るためにすべきこと

 違約金については?

「たとえば大規模な企業とのコラボ案件があったとして、そういった仕事を事務所も与えていて、その途中でライバーが仕事をやめる、契約をやめますとなったとします。ライバーとライバー事務所は法律的には“準委任”という関係にある場合があります。この場合は民法の規定上、“いつでも契約解除をしてOK”というものがあります。ただそうは言っても、例えば、事務所に損害を与えるような一定の場合には契約を解除することによって発生する損害を払わなくてはならないという規定があります。事務所の辞め方や予定されていた仕事の内容によっては損害賠償が成り立つ可能性はあります。ただ、注意して欲しいのは、単純に契約書において違約金を定めてあるから、絶対に払わなくてはなりません、とはなりません。違約金を求められたりした場合には、必ず弁護士に相談した方が良いでしょう

 ライバーは自身の身を守るため、どうすればいいのか。

ライバー事務所はやはり、まだ“出来立て”の事務所が少なくありません。顧問弁護士をつけるなど、法的な部分をしっかりやっていこうという事務所も出てきましたが、一方でまったく進めていない事務所があるのも実情です。ライバー事務所に所属することが悪いわけではありませんし、メリットも多くあります。他方でフリーでやることも楽な面もあれば、大変な面もあります。ただ、契約をするにしても、その際、事務所は何をやってくれるのか。そして逆に自分は何をやらなくてはいけないのか。事務所を辞めるときにはどのような制限があるか。対価はどうなるのか。まずこのあたりをきちんとはっきりさせるべきです。

 書面であれデータであってもきちんとした契約書があるかないかも一つの判断材料となります。ライバーからの疑問に対し、ハッキリと答えることもなく信用できないなと感じた時には契約書の確認など含め弁護士に相談をしておくといった対応もあってよいかと思います。」

 若年層も多いライバーは、社会人経験や法律的な知識は薄いだろう。そこに付け込むような“罪”はあってはならない。