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ー 自然に囲まれた山暮らし
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ー 田舎を取るか、都会を取るか

 南伊豆の山中に“仙人”のような生活を送っていた元俳優がいる。

「松岡俊介さんですね。『メンズノンノ』などでモデルとして活躍した後、1993年にフジテレビ系で放送されたドラマ『白鳥麗子でございます!2』で俳優デビュー。イケメンで人気もありましたが、2009年に芸能関係の仕事を辞めてしまいました。13年前から、今いる南伊豆で暮らしています。2020年6月放送の『爆報!THEフライデー』で“仙人生活”が紹介されていました」(テレビ誌ライター)

 『週刊女性』も2年前に松岡の家を訪ねた。当時は東京でアパレルの仕事もしていると言っていた彼だが、コロナ禍の今、どうしているのか。細い山道を上って久しぶりに会いに行ったが、松岡の姿は見当たらない。

「主人は2か月に1回くらいしか、こちらには帰ってきません。生活が苦しくなって、今は横浜の飲食店で働いているんです。飲食店を何店舗かを経営している知り合いがいて、お世話になっています」

 そう教えてくれたのは、松岡の奥さん。4人の娘と山中で暮らしている。

自然に囲まれた山暮らし

「娘は上から中1、小5、小3、5歳です。あとはネコが2匹、犬とヤギ、トカゲ15匹と一緒です」

 テレビはなく、家庭用ゲーム機もない。

子どもたちは、のびのびと山中で暮らしている
子どもたちは、のびのびと山中で暮らしている

「電気はあって、電話線も通っていますが、なるべく便利なものには頼らないようにしているんです。ウチは“不便の中から楽しみを見つける”ということをやっています。食事は畑で作った野菜が中心で、肉はたまに買うくらい。

 そういったことを子どもたちには強要しているわけではなく、みんながおいしい、うれしいと思うから、この生活を続けているんです」

 家で飲むのは薬草茶。子どもたちには友達の家でジュースを出されたら飲んでもいいよと伝えているが、あまり飲まないそう。

「ここで暮らしていると、朝はたくさんの鳥の声に癒されます。贅沢なことだなって、何年たっても思いますよ。ただ、この山がなにか災害があったときにどこまで耐えられるかという不安はあります。大雨が降ると、道に大きな石が転がっていることもあります。ここはナビがアテにならないから、救急車も消防車を呼んだとしても迷いがちなんです」

 自然に囲まれた山暮らしは楽しいが、苦労もあるようだ。