あの王貞治さんも人種差別を

 野球だけではない。サッカー・Jリーグの横浜FCは5月3日に、禁止行為であるスタジアムでの大声やヤジ、選手への侮辱的な発言、行為があるとして、公式サイトで注意喚起。ガンバ大阪では5月21日に行われた試合で威嚇行為や侮辱的行為、試合運営妨害があったグループのメンバー全員を無期限入場禁止とした。

 一方、海外でも許しがたいシーンが。

「日本時間3月13日に行われた、テニスのBNPパリバ・オープンの女子シングルス2回戦で大坂なおみ選手が敗退。その試合中、観客席から“ナオミ、最低”というヤジが飛びました。これに大坂選手は動揺。主審に“試合を止めて、観客を外へ出して”と訴えましたが、試合は続行され、ベンチで涙を拭う場面も」(同・スポーツ紙記者)

読売ジャイアンツのマスコットキャラクター・ジャビット
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 度を越したファンのマナー問題に、スポーツライターの梅田香子さんはこう話す。

「あの王貞治さんも人種差別を含んだヤジに対して怒ったことがありましたが、差別的なものは、絶対にやめるべきです。プロ野球では、誹謗中傷をなくそうという時代の流れと、女性客を取り込もうという球団の戦略もあり、下品なヤジや行為をなくして、球場の雰囲気を良くしようと努力していると思います」

 かつて「ヤジはプロ野球の華」という言葉もあったが、誰もが安心して観戦できるように、“やらかし”は退場してほしい。


梅田香子 '86年、『勝利投手』で第23回文藝賞佳作を受賞。その後はスポーツライターとして、MLB、NBA、フィギュアスケートなど幅広く取材活動を行っている。'09年から在米