目次
Page 1
ー 『プレバト!!』を引き受けた理由
Page 2
ー スタッフの“俳句知識”が分厚くなって
Page 3
ー 「楽しくないと俳句じゃない!」

「ポカンとしました……」
「明らかに間違っている!」

 つまらない俳句には、厳しくダメ出し。『プレバト!!』(TBS系)で、忖度なしの辛辣な批評が人気になったのが夏井いつきの「俳句の才能査定ランキング」だ。

『プレバト!!』を引き受けた理由

「こんなに続くとはまったく想定してなかったですし、出演は1回で終わると思っていました。1回目の収録で、モニター越しに浜田雅功さんがゲラゲラ笑っていて、“俳句おもろ〜”って机を叩いていたのは印象に残っています」

'13年に初出演して、現在は9年目に突入。『プレバト!!』は生け花や料理の盛りつけなどさまざまなジャンルで芸能人が才能を競い合う番組だが、夏井の俳句査定がダントツの人気を誇る。最近の俳句ブームの火つけ役になったのがこの番組だった。

「教養の要素を取り入れた新しいバラエティーを作りたいということで始まったのが『プレバト!!』。俳句の先生をキャスティングしたいけど誰に声をかけたらいいかわからなくて、NHKの俳句番組を片っ端からスタッフみんなで見て、オファーを決めたって聞きました。なんで私だったの?ってお酒の席で聞いたら、“バラエティーのスタッフが声をかけても、怒られなさそうだった”って(笑)

 しかも、制作側の勘違いがあったという。

「松山違いのうっかりオファーでした。私が住んでいるのが愛媛の松山だと知らず、埼玉の東松山だと思ってたそうです(笑)」

 彼女にとっても、番組出演はありがたいチャンスだった。

「俳句の普及のために何かできないかと模索していた時期だったんですね。バラエティーであろうと、ちゃんと種をまかせてもらえる企画であれば出ようということで引き受けました」

 夏井は愛媛県に生まれ、京都の大学を卒業後に中学校の国語教師になった。飲み会で、俳句を使って席順決めゲームをしたことが、この道に興味をもったきっかけだという。