ディズニーリゾート内で『オーパス・ファイブ』として活躍していたころのアツシさん(YouTubeより)
ディズニーリゾート内で『オーパス・ファイブ』として活躍していたころのアツシさん(YouTubeより)
【写真】人気パフォーマーだったころのアツシさん

垣間見えたディズニーの“闇”

 番組では、ディズニーランドの元パフォーマーとしての“クセ”が抜けきらず、店長からダメ出しされるシーンもあった。

「アツシさんは、店長から卒業検定での失点ポイントを聞いているときも、口角を上げて笑顔を見せ、『ハイ、ハイ、ハイ』といった具合に、ハキハキ返事をしていたんです。店長は、その態度が真剣さに欠けると感じたようで、≪表情をまず気をつけた方がいいですよ≫と注意していたのですが、彼のパフォーマー時代を知るディズニーファンには、とてもつらいシーンだったのではないでしょうか」(同・前)

 一方で、そもそもアツシさんが俥夫を目指さなければいけなかった理由をめぐって、「ディズニーランドの“闇”があぶりだされた」(出版関係者)という指摘もある。

「東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは2020年9月、コロナ禍の影響によるイベント中止で、仕事がなくなったとするダンサーら出演者に対し、販売や案内などへの職種転換、もしくは支援金や給与の一部を支給した上での退職を要請したことが知られています。オーパス・ファイブのアトモスは同10月に休止となっているので、アツシさんはこのタイミングで、退職の道を選んだのかもしれません。

 オリエンタルランドの労働問題に取り組んできた『なのはなユニオン』の鴨桃代委員長は、『機関紙連合通信社』の記事に『(こうした要請は)事実上の一斉解雇提案だ。ろくな説明もせず一方的に選択を迫る乱暴なやり方で、おかしい』という怒りのコメントを寄せていましたが、確かに“夢の国”らしからぬ非情さがある。アツシさんの背後には、こうしたディズニーランドの“闇”が広がっていると言えるのではないでしょうか」(同・前)

 同社の労働問題に関しては、2018年、キャラクターショー出演者の女性から、パワハラと安全配慮義務違反で、330万円の損害賠償を求める裁判を起こされたことも見逃せない。

5人のシンガーがアカペラでディズニーソングを歌う「オーパス・ファイブ」。(ディズニーHPより)
5人のシンガーがアカペラでディズニーソングを歌う「オーパス・ファイブ」。(ディズニーHPより)

 この女性は、ショー出演中に、ゲストから指を曲げられ負傷。労災申請をしようとしたところ、上司に「そのくらい我慢しなきゃ」「君は心が弱い」と咎められたほか、ほかの仕事仲間から「ババァはいらねーんだよ」と暴言を吐かれたこともあったという。

「今年3月、千葉地裁は、パワハラに関しては認めなかったものの、指の負傷に関しては安全配慮義務違反があったとして、オリエンタルランドに88万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。同社はこれを不服として東京高裁に控訴していますが、世間には、ディズニーランドの労働環境はブラックだと知れ渡りつつある。『ザ・ノンフィクション』でも、その一端が垣間見えてしまった形です」(同・前)

 同番組のラストで、「東京力車」を辞め、次の仕事が見つかるまで、建設現場の仕事でしのごうとしていると伝えられたアツシさん。番組放送後、自身のTwitterでは、古巣となった「東京力車」を≪最高の会社です!≫と紹介したほか、≪自分の使命を果たす為に、ただ前に進みます!≫と決意表明をし、現在活動している音楽ユニットの主催ライブが、9月に控えていることを告知していた。

 なんとも波瀾万丈な人生を歩むアツシさんの今後を、影ながら応援していきたい。