スタッフの対応が雑に感じられるのはなぜ?

 元人気アイドルグループのメンバーで、かわいらしくて自己主張も強くなさそう。生稲サンについて、こんなイメージを持ち続けている人は多いことでしょう。こういう女性は「御しやすい」と思われる傾向にあるので、目玉候補として選挙に担ぎ出そうと思う政党があってもおかしくありません。けれど、「御しやすい」ところが評価されている場合、最初から一人前の女性政治家になることは期待されていないのかもしれません。故にスタッフの対応が雑で、いろいろな不手際が世間にバレてしまうのではないでしょうか。また、プロフェッショナル・シロウトのアイドルという、シロウト感の強い元アイドルとキャラでやってきた人が出馬すれば、その時の印象にひきずられて、「この人が政治家で大丈夫か?」とジャーナリストは問い詰めたくなるかもしれません。おニャン子ゆえに担がれて、おニャン子だから叩かれているのが、今回の生稲バッシングのように思えるのです。

4月6日に行われた参院選出馬表明会見に臨む生稲晃子
4月6日に行われた参院選出馬表明会見に臨む生稲晃子
【写真】「これで人生最後の…」出馬前にセーラー服を披露する生稲晃子

 世間では入社試験を受ける時には志望動機を聞かれるでしょうし、一般常識を含めた学力試験や語学力、仕事に直結する資格の有無がチェックされるでしょう。希望がかなって入社した後も、上司に査定される運命からは逃れられません。派遣社員やフリーランスは志望動機こそ問われませんが、そのぶん、結果を求められます。派遣社員なら即戦力、フリーランスは結果を出せなければ、次の仕事が来なくなっても文句は言えない。これだけ一般人が成果を求められているのに、政治家の業績が国民にはっきりした形で知らされていないことが、私には不思議で仕方がないのです。

 業績で選べないとなると、誰に投票していいかわからないから選挙に行かないと思う人が増えて、投票率は伸び悩むかもしれません。業績で判断できないなら、とりあえず有名人に入れておこうと考える有権者もいるでしょうから、政党はますます「タレント候補は勝てる」と確信し、擁立することでしょう。そして、また「タレント候補のヤバ発言が報じられて、有権者が呆れるけれど、結局は当選する」という現象の繰り返しだと思うのです。

 いろいろ言いましたが、生稲サンは選挙と言う正当な形で、民意を得たわけです。おニャン子的なシロウト感は捨てて、どうかがむしゃらに勉強していただきたい。そして「あの時タレント候補なんて言ってごめんね」と謝りたくなるくらいの活躍を見せてほしいものです。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」