「『銀座の恋人』ってタイトルも気に入っています」

 そこからプロジェクトは一気に動いた。

「曲から何から、すべて『生×カラ!TV』のスタッフさんと大川さんにおまかせしました。言われたことをこなすのも私、得意なので、どんなものができあがってくるのかワクワクしました。

 そうしたら作曲は狩人の高道さん、作詞は有名作詞家の中谷純平先生。曲調は演歌というよりムード歌謡で、昭和の温かい感じがする親しみやすい曲と歌詞に仕上がってきて、もう嬉しくなってしまいましたね。

『銀座の恋人』ってタイトルも気に入っています。日本に活力があったころの曲みたいで、元気になれそうでしょ?」

 驚くべきはこのCDの制作時間。収録からジャケットの撮影まで、なんと半日で終了したという。

「私も経営者としての仕事もあるから忙しいので、限られた時間でのお仕事でした。でも全てスムーズに終わって、みなさんさすがプロの仕事だと思いました」

 頼りがいのありそうなナイスミドルの大川さんと、トレードマークの大きな帽子の芙美子さんが微笑むジャケットは、落ち着いたムードが漂い、まさに大人の恋人同士といったところ。

 もともと人前でしゃべることは好き。歌うことも好きだけど、プロの歌手には到底かなわない。でも、歌いたい理由をこう語る。

「私は度胸だけで生きてきたところがあるんです。だから、できないことでも挑戦しちゃう。そうするとうまくなくても、それを見たみなさんが楽しんでくれるじゃないですか。それが私の喜びなんです。そんな感じなので、私、明石家さんまさんに弟子認定されてるんですよ」