目次
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ー 「どうやって食べるの?」当初は苦戦
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ー 4万件以上の公募から選ばれた
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ー 世界30か国で販売されている
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ー 16種類のアレンジメニューを販売

 8月2日(お(0)や(8)つ(2))は“ベビースターの日”。『ベビースターラーメン』といえばおなじみ、おやつカンパニーのスナック菓子で、フライ麺のパリポリ食感に子どものころ病みつきになったという人も多いはず。今や誰もが知るロングセラー商品だが、その誕生は60年以上前のこと。戦後の食糧難を知る創業者の思いが開発のきっかけになったという。

「もともと弊社は製粉・製麺業を営んでいましたが、即席麺を天日干ししているとどうしても麺のカケラがポロポロこぼれ落ちてしまう。それを見た創業者が、“もったいない!”と活用して作ったのが始まりでした」(おやつカンパニー広報・諸岡亜由美さん)

 従業員におやつとして配ると、これが大好評。ならばと商品化を試みるも、調理して味わうラーメンとそのままつまんで楽しむスナック菓子では必要な原材料もまた違う。

「即席麺に使われるかん水はモチモチした食感を生みますが、苦味もあり、そのまま食べるには邪魔になる。そのまま食べて美味しい配合と、味つけの鶏がらスープにこだわり、試行錯誤を重ねていきました」(諸岡さん、以下同)

 発売は1959年。“小さなカケラのラーメン”の意味から、商品名を『ベビーラーメン』と命名した。即席ラーメンをアレンジした、かつてないスナック菓子の誕生である。

「どうやって食べるの?」当初は苦戦

「ただ当時はまだラーメンが今のような国民食になる前で、日本にスナック菓子という言葉自体がなかったころ。ラーメンをおやつにしたことは、あまりに画期的すぎたのかもしれません。お湯も丼もお箸も必要ないと言われ、大人たちから“一体どうやって食べたらいいのだろう”と不安視するような声が上がり、当初は苦戦を強いられました

 日本ではスーパーも今ほど身近でなく、まだコンビニも上陸していなかった時代。主な小売先は地元・東海地方の駄菓子店と、流通も限定された。

「けれど昔も今も『ベビースターラーメン』のファンは子どもたち。固定観念のない子どもたちがまず自由な発想で楽しみ、そこから口コミで広まっていきました。発売2年後には売り上げも倍増しています」

 販路も拡大し、人気は全国区へ。1973年には“子どもたちのおやつの中で一番星になりたい”との思いを込め、“スター”を加えた現在のブランド名に変更している。