男性同士のマウンティングは?

 当然ながら男性同士でもマウンティングは起こりうる。

「女性の場合、3つのカテゴリーが“連動”していないと考えます。例えばバリバリ仕事をしつつ、お子さんを産んで良いお母さんをして……というのは少々大変で達成しづらいですよね。

 男性は、仕事で良い結果を出しながら、良い家庭を持つということは、同じ直線上にあるといえる。男性の場合、3つのカテゴリーは連動しており、すべてで優れた状態になることが可能だと思います。そのため男性同士のマウンティングはシンプルになったり、すぐ勝負がつきますが、女性の場合は複雑になると考えます」

 確かに男性の場合、“比較”し合うのは、幼少期であれば足の速さなど運動能力、少し成長すると容姿や学力などが加わり、大人になれば財力、仕事、結婚相手などだろう。

 人によってはそのすべてを獲得することが可能だ。生き方や考え方が多様になれど、女性の場合、“仕事”と“結婚・家庭”という面だけでも対立構造となってしまう風潮は現代でもある。

「女性の場合、3つのカテゴリーすべてで優れた状態となることは難しく、勝負がつきにくい構造にあるのではないかと思います」

 今回の論文はネットで話題となった。“マウンティングされた”という経験のある人が多いということの証左か。

「マウンティングは、人間として当然といいますか、コミュニケーションの1つの形ではあると思います。そのため“無くす”ということは難しい。

 マウンティングだと感じて、イラッとしたり、モヤッとした人が、そういったダメージに対するセルフケアや受け流せるようになる方法を今後研究していきたいと思っています」