等身大でいられるように

  '06年『第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞し、翌年俳優デビュー。フレッシュな好青年のイメージが強いが、そのキャリアは15年を超えた。

「“30歳を超えると役者業がちょっと変わってくる” “ちょっと楽しくなってくる”と先輩方に言われていたのはこういうことなんだな、という実感はあります」

 20代のころは変にカッコつけていた部分もあったと振り返る。

「“自分はこういう人間だ”という意識も強かったし、結果をすぐに求めていました。でも今は人に染められて新しい扉が開くことや、その過程も楽しめるようになったかな。少しは余裕ができたのか、視野が広がって、等身大でいられるようになった気はしています」

 大人の俳優へと歩を進める中、その恋愛観に変化も?

「そんなに変わってないんじゃないかなぁ。でも女性に対しての理解というか、ある種のあきらめと呼ぶべきなのか……みたいなものは増えましたよね。理想みたいなものは、もうあんまりないかな」

 昔は理想があった?

「もっとキラキラしたものがあったかも(笑)。でもやっぱり年齢や経験を重ねるごとに、いろんなことが気にならなくなったかもしれませんね。っていうか、恋愛観とか久々に聞かれましたよ(笑)。33歳ですからね、好きなタイプとかもう聞かれないですよ(笑)」

年に1度は舞台に立つ

 連ドラが重なることも少なくなく、来年の大河ドラマ『どうする家康』への出演も決定。しかし、年に1度の舞台は欠かさない。

「やっぱり舞台でしか得られないものもある。蜷川(幸雄)さんに厳しく指導していただいて鍛えられたので(笑)、逃げちゃいけないんだろうなって思っています。舞台って、舞台ならではの筋肉のようなものが必要で。2年3年とあけてしまうと、もう怖くて“立てるのかな?”と思っちゃう自分もいるんですよ。常にその筋肉は使える状態でありたいです。

 もちろん、どのジャンルでももっと活躍したいという思いはあります。だけど人って急には成長しないし、少しずつ積み上げてきたものがいちばん信用できる。気づいたらこんな景色見えていた……というほうが、長い役者人生の中では楽しいんじゃないかな?」

『毛皮のヴィーナス』
8/20(土)〜9/4(日)、シアタートラムにて。全席指定7000円(税込み)

○世田谷パブリックシアターチケットセンター
TEL 03-5432-1515
https://setagaya-pt.jp/performances/202208venusinfur.html
『毛皮のヴィーナス』8/20(土)〜9/4(日)、シアタートラムにて。全席指定7000円(税込み)(C)山崎伸康
『毛皮のヴィーナス』8/20(土)〜9/4(日)、シアタートラムにて。全席指定7000円(税込み)(C)山崎伸康

〈ヘアメイク/菅野綾香 スタイリング/黒田領 衣装協力/エストネーション〉