檜山沙耶ら気象キャスターが人気の「理由」

照れ笑いしながら言い間違えをとぼける檜山沙耶アナ(YouTube・ウェザーニュースLiVEより)
照れ笑いしながら言い間違えをとぼける檜山沙耶アナ(YouTube・ウェザーニュースLiVEより)
【写真】『SPY×FAMILY』のコスプレを披露した檜山沙耶アナ

 2022年6月3日放送回では「突然企画」として一問一答コーナーが始まった。視聴者からの「(『呪術廻戦』の)五条悟と一日デートするならどこに行きたい?」という質問には、

「五条先生は完璧すぎるのでどうしましょうって感じですね。見ているだけで幸せなのかもしれません」と、檜山特有のテンションがあがったときに声がひっくりかえる様子も見せながら答えていた。そうやってチャットでのやり取りの中からにじみ出る、檜山の「人間味」がウケているのではないか。

 ちなみにこの「人間味」が、天気コーナーは非常に重要だと考える。

 気象情報を知りたいだけであれば、ネットのお天気ページをチェックすれば良い。その方が早いし、分かりやすい。そんななか、気象予報士や気象キャスターが番組の枠を超えて親しまれているのは、科学的には分かりづらい専門分野且つ、ある意味で無機的なものだからこそ、それを伝える予報士やキャスターのパーソナリティが余計親しみ深く映り、視聴者を引きつけるのではないか。

 例えば、『情報プレゼンター とくダネ!』(フジテレビ系)に出演していた気象予報士・天逹武史と、同番組司会の小倉智昭だ。天気コーナーになると小倉が、「あまたつぅーっ!」と景気良く呼びかけ、人気コーナーになったのはつとに有名だ。

 そのついつい口にしたくなるかけ声と、天逹本人の柔和な口調や雰囲気が朝の番組にぴったりだった。そして、子どもからお年寄りまで幅広い層からの好感度を得た。

 以降も、たとえば『ひるおび!』(TBS系)の天気コーナーを柏木由紀らAKB48のメンバーが日替わりで担当するなど、各番組はいろんなアイデアで天気コーナーを進行。天気は、ほぼすべての人の生活に関わりがあり、なんらかの影響をおよぼすもの。

 だからこそ、いかに視聴者との距離が縮められるかが重要なのだ。そういったことが番組構成的に、多種多様なアイデア、そしてキャスティングに結びついているように思える。そして檜山のような愛すべきキャラクターが生まれるようになった。

 現在は、Snow Manの阿部亮平、AKB48の武藤十夢といった人気アイドルも気象予報士の資格を取って、活動の際のアピールポイントにしている。かつては石原良純が「気象予報士タレント」の代表格だったが、これからさらにジャンルとして開拓されていきそうな予感がする。

 檜山人気を象徴として、「天気」という軸は変わることなく、しかし伝え方や伝える人のスタイルは今後さらにおもしろく変わっていくのではないだろうか。