「アイドル」に悩んだ堂本剛の恋愛論

 ちなみに、'99~'05年まで『Myojo』(集英社)に連載していたエッセイをまとめた『ぼくの靴音』には、こんな記述があった。

《本当は、作られた“堂本剛”なんて要らない。ありのままの自分で、たくさんの事を感じたり、作ったり、愛したり出来れば良い》

《こないだ、また歌を作った。俺の本当の気持ちを知りもしないくせに、世間は、俺の事をああだこうだ、と決め付けたりするけど、そんな事に囚われてたら、自分は止まったまま、たとえ心臓がガタガタになろうが、絶対に負けへん、くたばらへん、進んでいくぞ…って歌》

 アイドルらしさに悩みつつも、現在の男性や本格的な音楽ファンからも愛される堂本剛になったのが、よくわかるエピソードである。

「その結果、女性ファンが減るも男性ファンが増え、いつしかファンの年齢層が“コンサートで出会って結婚”という層が増えたり、主婦業が忙しくてファンを辞めていたのが落ち着いて戻ってきたりと、ファン層が入り乱れていることなどを話しましたが、恋愛についての話になった際には、興味深いやりとりがありました」(前同)

 吉田が「どうしようかこれからって時があるじゃない?」と恋愛や結婚について尋ねると、

「昔はこういう人がいいな、ああいう人がいいなとか理想はあったんですけど、いまはむしろあんまりなくてですね……」

 と切り出し、同世代の結婚の話を聞いてると、結婚を後悔している人の方が多いことにふれて、

「僕ら世代は子供が出来ても、20歳になったら54ですよね。そういう時に、どんな大人でいるのかなとか、どんな日本なのかなって不安が結構あるんですよ」

 と迷っていることを明かしたのだ。同時に活字嫌いで本が読めないため、「妻に本を読んでもらう」という吉田がかつて話したシチュエーションに憧れを抱いたことも明かした。

 また、吉田の「恋をするとその人を歌にしたくなる」という持論については、「彼女というか、あまり自分の中では日常のことをぶっこむことがない」「ぶっこむとするなら親や仲間はすごく露骨に出ちゃいますね」ということだった。

 その後も恋愛についていまひとつ煮え切らない話をしている剛に対して、

「猪突猛進。突っ込んでいく彼女に。“好きだ――!”」「“わかってくれ好きなんだ!“っていう感じ」「そういう行動に出ないと、なかなか結婚は出来ないよ」「タイミングを逃すと、結婚がいらなくなる」

 と、人生の先輩として吉田はアドバイスを送り、次の話題に移ったのだった。

「剛さんは'01年に『FRIDAY』(講談社)で山口沙也加さん(42)とのお泊り愛が報じられたことがありましたが、その後破局したと言われていて、それ以降も共演者と軽くウワサが出る程度で本格的な熱愛報道はありません。

 プロデューサー・松浦勝人氏とTOKIOの長瀬智也さん(43)の交際時期で、明らかに曲調が変わっていた浜崎あゆみさん(43)がいい例ですが、吉田さんの言うように恋をすると、それを歌にしたくなるものですからね」(前同)

 あれから9年。剛はいま、何を思うのかー-。