古臭いように見えて実は新鮮

 スパフルは、昭和アイドルをリアルタイムで知っている世代にはどこか懐かしく、若い世代にとっては新鮮に映る存在なのかもしれない。

「髪型や笑顔の作り方などのルックスにも引き込まれますが、『チグハグ』という曲のキャッチーさが本当に強いんです」

 というのは、ある芸能関係者。

「近年、本当に売れる曲は、CD売上ではなくTikTokをはじめとした動画投稿などでの浸透度の高さです。過去の曲が突然掘り起こされて再評価されるなど計算できない現象が起こっています。TikTokでのハメ込みにぴったりすぎるフレーズやダンスは、出だしもサビも10秒というのが相性バツグンであることは間違いない。

 そこに『チグハグ』という誰でもある程度引用できる曲振り、ダンス以外にもマネしたくなる要素もある。一見、古臭いように見えて実は最新の発想なのかもしれません

 さらに、こんな背景も推察する。

「スパフルの先輩的なボーイズグループにCUBERSがいます。所属事務所が新たに設立したプロダクションの第1弾アーティストということになりますが、CUBERSのメンバー・末吉9太郎はもともとハロー!プロジェクトなどのアイドルも大好きで、アイドルファンのあるあるネタなど動画投稿して話題を集めています。アイドル好きに刺さるようなツボがわかっているのかもしれませんね」(同)

 地上波の番組などへの登場も増え、いよいよ広くお茶の間に浸透するかもしれない“スパフル”。2022年後半の目玉になる(なっている?)可能性は高い。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉