目次
Page 1
ー 松竹ではなく広告代理店とタッグ
Page 2
ー 先代の興行収入30億円超えなるか

 10月14日から“市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台”11月公演チケットの一般販売が開始。江戸歌舞伎の創始者とされる團十郎は梨園で最も権威のある名跡といわれており、海老蔵にとっては待望の襲名公演ではあるが、歌舞伎ファンの間からは不満の声も。

まだ発売して数日ですが、席に余裕があります。1985年の十二代目團十郎襲名の公演は連日満席。日本中の関心を集めて、歌舞伎ブームの起爆剤になるほどでしたが、今回は盛り上がりに欠けるような気がしてなりません」

 社会現象となった襲名披露興行の裏には、大々的なプロモーションがあったという。

先代の襲名では、興行の1年前から配役を発表し、新聞や雑誌メディアに團十郎さん自身が出演して告知。テレビでも初代團十郎の生涯を描いた特別ドラマを放送することで、幅広い層で認知度を上げました」(松竹関係者)

 片や今回の配役発表は開幕の4か月前。都心で広告展開などをしてはいるが、CMが公開されたのは10月14日、伝統的に行われる成田山でのお練りと呼ばれるイベントも22日と、いずれもチケット発売後のスロースタートだ。

松竹ではなく広告代理店とタッグ

「実は海老蔵さんサイドのPR活動が思うように進んでいないんです。9月に発売予定だった写真集は12月に延期。計画にあった銀座での祝賀パレードも未確定とグダグダなんです」(成田屋に近しい人)

 通常、襲名に関する宣伝は歌舞伎興行を仕切る松竹が主体となって行うが、海老蔵に関しては異なるようだ。

「2020年に行うはずだった襲名披露興行では、革新的なことをしたかった海老蔵さんは、自身が主体となる宣伝活動は広告代理店とタッグを組み、松竹は“協力”という形で進める予定でした。しかし、広告代理店側への手数料が膨大だったため両者の関係は途中で解消。その後、海老蔵さん側のスタッフが中心となり宣伝企画を進めましたがノウハウも人手も足らず大遅延。結果、全体のプロモーションが満足にできなくなったんです」(同・成田屋に近しい人)