目次
Page 1
ー 母親に予告「一発どつきますよ」
Page 2
ー 「まだおったんか」
Page 3
ー 毒舌なところもがあるが、生徒思いの先生

  女子ソフトボールの強豪校がひしめく兵庫県で、私立姫路女学院高校の男性顧問が部員に体罰を加える事案が発生。被害程度の重さなどから全国ニュースとなった。その後、体罰を加えた男性顧問は懲戒解雇となっていた。一方、被害生徒も学校に通えなくなって退学となっていたことも発覚する。なぜ過ちをおかしたのか−−。

 事件当時、『週刊女性』はソフトボール部の男性顧問の素顔に迫っていた。

(以下は、2022年10月8日に配信した記事の再掲載です)

◆   ◆   ◆

「ピッチングを教えるのは難しい」が口癖だった。

 兵庫県姫路市の私立姫路女学院高校で、ソフトボール部の顧問を務める男性教諭(41)が部員の1年女子生徒(16)の左頬を1発平手打ちし、あごが外れる重傷を負わせた。女子生徒は口を開けにくくなり、食事にも苦労するなど『外傷性開口障害』で全治1か月の診断。叩かれた衝撃で口の中も切れた。

 体罰のきっかけは、県内他校のグラウンドで行われた公式戦の試合当日、被害生徒がユニフォームを忘れたから。

「帰れ」「おまえなんかいらん」

 などと暴言も浴びせた。

 被害生徒は帰るわけにもいかず、約5時間立ちっぱなしとなった。顧問は2人体制で男性教諭が監督を務め、コーチの若い女性教諭が近くにいたが、止められなかった。

 負ければ即敗退の県大会地区予選で、被害生徒は打撃力のある選手だった。

 学校側に詳細な経緯を尋ねると、寳谷亮介校長補佐は、

「まず、いかなる理由があろうと体罰は認められません。被害生徒には本当に申し訳なく、男性教諭も“手を出してしまった自分が全部悪いです”と後悔しています」

 と頭を下げて経緯を語る。

母親に予告「一発どつきますよ」

 体罰があったのは9月24日午前8時すぎ。被害生徒はユニフォームを忘れたことに気づき、母親に「持ってきてほしい」と連絡した。以前にも忘れたことがあったため、母親は甘やかさないようにそっけなく対応しつつ、一方でユニフォームを届けるため男性教諭に連絡を取ったという。

 男性教諭は母親に対し、「一発どつきますよ」とあり得ない予告をした。