するとSNS上には《ハーフタイムに監督インタビューなんて初めて見た》との困惑の声とともに、《そんなことに応じてるほど余裕ないだろと思うが》《終わってからやればいいのに 大事なミーティング時間だろうに》と、試合の途中で、しかもビハインドを追っている中での監督インタビューに懐疑的な意見も向けられた。

 地上波でドイツ戦を中継していたのは、この大一番を含めたW杯21試合の放送権を獲得しているNHKだ。

 Jリーグを含めたサッカー事情に詳しいスポーツジャーナリストによると、「実はNHKが中継するJリーグの試合では、ハーフタイムに両監督のインタビューが行われることもあります」とのこと。NHKのサッカー中継では“通常運転”なのだとか。

円陣を終えると急いでインタビュー室へ

 多くの視聴者にとって見慣れない光景に思えたハーフタイムでの監督インタビューは、試合後の監督や選手のインタビューも含めて、視聴者サービスの一環として織り込み済みのようだ。

「日本サッカー協会としてもサービス向上のため、Jリーグでのインタビューを通じて監督や選手の“生の声”をサポーターに届けることに注力し、CMがないNHKとしても“間”を繋ぐ演出として重宝していると言います。でも、まさか日本代表戦、しかもW杯の大舞台でも実行するとは思いませんでした。さすがにNHKともども、ちょっと空気が読めないというか、空回りした印象を受けますね(苦笑)。

 ハーフタイムのミーティング後は監督や選手、チームスタッフ全員で円陣を組んで声出し、タッチを交わしてピッチに向かうのが日本代表のルーティン。本来ならば監督はコーチ陣と最終確認、そして審判ともコミュニケーションがとれる重要な時間でもありますが、森保さんは円陣後に急いでインタビュールームに向かったのでしょうか」(前出・ジャーナリスト)

 結果としては、歴史的勝利という最大のファンサービスで視聴者を喜ばせた森保JAPANだが、仮に負けていたとしたら、監督に、そしてチームにも批判の矛先が向きそうな行為にも思えるが……。

 また、同ジャーナリストは「NHKとして独自の演出がほしかった、という狙いもあったのだと思います」と続ける。

 ビデオリサーチ社の調べによると、ドイツ戦の世帯平均視聴率は平均35.3%、個人視聴率は22.1%(ともに関東地区)であることがわかった。かつて40%以上は当たり前で、NHKの中継ではフランス大会(1998年)のクロアチア戦で60.9%を記録したこともある日本代表戦。