腸内環境を整えて鉄の吸収率をアップ

 非ヘム鉄やヘム鉄の鉄剤やサプリメントをとる際に気をつける点は?

「日本人は胃酸の分泌量が少なく栄養素が吸収されにくい体質です。鉄の吸収率を上げるためには、消化酵素である胃酸の分泌を促して腸内環境を整えることがいちばん大切。

 消化酵素はタンパク質から作られるので、魚だったら大根おろしと一緒に食べるなど、タンパク質の分解を助けるような組み合わせの食事を心がけるといいでしょう。また、食事の際にレモンや梅干しを思い浮かべるだけでも消化酵素が分泌されます」

 人間の身体は炭素、酸素、窒素、水素が96%を占め、残りの4%が鉄をはじめとするミネラルで構成されている。

「私たちの身体の生命活動はこれらの要素による化学反応で、中でも4%のミネラルの働きはとても重要。

 普段から消化のいい食事を心がけて腸の機能を正常に保ってほしいです。そして鉄の吸収率を上げ、必要な量の鉄を常に蓄えられるような生活を送ってください」

“よい鉄分”なら積極的にとろう!鉄不足の人に起きる症状チェック
□貧血
□立ちくらみ
□頭痛
□疲れやすい
□肩こり
□頭がぼんやりする
□シミができやすい
□知らぬ間にアザができる
□薬などが飲み込みにくい
□ものを落としやすい
□イライラする
□やる気が出ない
□うつっぽくなる
□爪がスプーンのようにそり返る
●半分以上当てはまる人は鉄不足の可能性があります。気になる人は医療機関へ相談を。

飲み合わせが大切、正しい鉄分のとり方

OK……タンパク質やビタミンCと一緒にとることで非ヘム鉄もヘム鉄も吸収率がアップする。肉や魚、牛乳や豆乳、生のフルーツなどがおすすめ。薬やサプリだけに頼らずに、日頃から鉄を多く含む食材をバランスよく取り入れて、摂取量を増やすことが重要。

NG……コーヒーや紅茶に含まれるタンニンや不溶性食物繊維(いも類やきのこ類)には吸収率を下げる働きがあるため一緒にとらないこと。玄米に含まれるフィチン酸にも同様の働きがあるので、48時間程度浸水させて発芽玄米にしてフィチン酸を下げるとOK。

『なぜ、人は病気になるのか?』著・寺田武史(クロスメディア・パブリッシング) ※画像クリックでAmazonの販売ページへ移動します
寺田武史先生●東邦大学医学部卒。東邦大学大橋病院勤務後、2004年より現職。栄養療法や東洋医学を基礎とした治療に加え、病気にならないための予防医療にも尽力。著書に『なぜ、人は病気になるのか?』など
寺田武史先生●東邦大学医学部卒。東邦大学大橋病院勤務後、2004年より現職。栄養療法や東洋医学を基礎とした治療に加え、病気にならないための予防医療にも尽力。著書に『なぜ、人は病気になるのか?』など
お話を伺ったのは……アクアメディカルクリニック院長 寺田武史先生●東邦大学医学部卒。東邦大学大橋病院勤務後、2004年より現職。栄養療法や東洋医学を基礎とした治療に加え、病気にならないための予防医療にも尽力。著書に『なぜ、人は病気になるのか?』など

(取材・文/熊谷あづさ)