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ー 旧知の週刊女性カメラマンからかけられた言葉

「無事に裕太が喪主として務めてくれて、無事に渡辺徹を見送ることができました。皆様の本当にその私たちを見守ってくださったことに感謝したいと思います。ありがとうございました」

 俳優の渡辺徹さんが61歳の若さで亡くなり、5日午後、妻の榊原郁恵が長男・渡辺裕太とともに会見を行った。

徹さんへの思いや周りへの感謝の言葉を口にしたふたり
徹さんへの思いや周りへの感謝の言葉を口にしたふたり

 徹さんは文学座の研究生だった20歳のときに人気ドラマ『太陽にほえろ!』の新人刑事役に抜擢されデビュー。萩原健一さん、松田優作さんらも演じた新人刑事役で、ラガーマンだった設定から愛称は“ラガー”に。

 笑顔の似合うさわやかなスポーツマンタイプだったが、太りやすい体質で当時のプロデューサーには「『太陽にほえろ!』に出て太ったのはお前くらいのもの」といわれた。

旧知の週刊女性カメラマンからかけられた言葉

 身長180cm、体重72kgだったが、大食漢で1日6食、5000キロカロリーを摂取する生活を送り100キロ超え。妻の榊原郁恵は「長生きしてほしいからダイエットして」と懇願。本人も「健康に気をつけることがいちばんの愛情表現」と話していた。

 人生100年時代に思いは果たせなかった徹さん。ずっと徹さんを案じてきた榊原をベテラン芸能記者は「言葉にはしないが、長い闘病生活。ずっと覚悟はできていたのではないか」。夫を最期まで看取った安堵感のようなものを感じたとも話した。

 棺に入れた山盛りのご飯や生前の“ウインナー事件”など、徹さんらしい食べ物にまつわるエピソードや、裕太の落語の高座を夫妻で見に来て喜んでいた話などが明かされた会見の終わり。

 旧知の週刊女性カメラマンから「裕太さん、郁恵さんの肩を抱いてあげて」と声をかけられると、郁恵さんが「あら、やだ、いたのー」といつもの明るさで応じた。「それじゃちょっと湿っぽいから」と笑い飛ばし、母子で徹さんがCMで演じた『グリコアーモンドチョコレート』の“カリッと青春”ポーズを決めて見せた。

 裕太が家を出て家族がそろうことが少なくなってからも、朗読劇の仕事などで3人がそろう機会には決めポーズにしていた、家族の思い出のポーズだった。