目次
Page 1
ー 当時のAKB48・大島優子に憧れオーディションに
Page 2
ー どう振る舞えばいいのか
Page 3
ー デビュー時から続く誹謗中傷の声 ー 私が話すことで救われる人がいれば

 苦難を乗り越えて、前に進む─。口で言うのは簡単だが、いったいどれほどの人が実際に困難と対峙したとき、前を向いて歩き出せるだろうか。

 荻野由佳(23)は昨年、約6年間にわたって活動してきたアイドルグループ・NGT48を卒業した。さらに今年5月には、所属していたホリプロを円満退所し、新たな門出を迎えている。そんな彼女が歩んできた6年間のアイドル人生は、波乱に満ちたものだった。

当時のAKB48・大島優子に憧れオーディションに

「私がアイドルに興味を抱いたきっかけは、小学生のころに聴いたAKB48のヒット曲『ヘビーローテーション』でした。MVの中でセンターで踊る大島優子さん(34)がとても輝いていて、今でも憧れの存在です」

 当初はAKB48を応援するだけで満足していたが、ダンスを習っていたこともあって、次第に芸能界に興味を抱くように。その後、母のすすめでアイドルグループのオーディションに参加して、幾度となく最終選考で惜敗する経験をするうちに、本気で「アイドルになりたい」という気持ちが芽生えていったという。

「自分が憧れのAKBに入れる自信はありませんでしたが、やっぱり諦めきれず、何度も挑戦しました。そうするうちに『第2回AKB48グループドラフト会議』のドラフト候補生に選ばれ、NGT48から指名をもらえたんです。そのときは『えっ! 新潟!?』と驚きましたが(笑)、AKBとNGTの兼任メンバーだった、大先輩の柏木由紀さん(31)と北原里英さん(31)の背中から“アイドルの姿”を学べたのは貴重な経験でした。今ではNGTに加入できてよかった、と心から思っています」

 NGTの1期生に選ばれ、生まれ育った埼玉県から新潟県に移り住んだ。16歳で親元を離れ、ひとり暮らしをスタートさせた。

「新潟に引っ越してからは、学校とレッスン漬けの日々。雪国での生活は初めてだったので環境の変化に慣れるのは大変でしたが、新潟の方々が温かく迎えてくださいました。地元のお蕎麦屋さんで『NGTの子だよね。応援してるよ』と声をかけてもらえたときは、とてもうれしかったです。

 NGT48がデビューしてからはさらに忙しくなって『握手会をしたい』という小さいころからの夢も叶いました。ライブはもちろん、バラエティー番組の出演や、さまざまなお仕事をさせてもらい『今、私は夢の真ん中にいる』と、やりがいを感じていましたね」