目次
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ー 日本女性の平均閉経年齢は50歳前後
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ー 治療を開始したとき、卵胞はまだ残っていた
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ー 年間の治療費が200万近くに
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ー 同じ産婦人科でも不妊治療はさまざま

 24歳のころ生理不順となり、クリニックでホルモン補充の治療をスタート。26歳で早発閉経と診断され、時間のない中で不妊治療を始めた千種ゆり子。約2年で採卵を諦め、治療をやめた彼女が、若い世代の人たちに伝えたいこととは──。

日本女性の平均閉経年齢は50歳前後

 不妊治療の技術が発達し、40歳を越えての高齢出産も珍しくなくなった現在。しかし若くして生理が止まり、妊娠できなくなってしまう人もいる。40歳未満で閉経に至ってしまう早発閉経(早発卵巣不全)。平均的な日本女性の閉経年齢は50歳前後なので、10年以上早く月経が終わることになる。

 20代では1000人に1人が発症するというこの病気だと、26歳で診断されたのが気象予報士の千種ゆり子。「自分の稀有(けう)な経験が、生理不順で悩んでいる若い人たちの役に立てば」と今回、週刊女性の不妊治療記事でもおなじみの『西川婦人科内科クリニック』の西川吉伸院長との対談で、その思いを語ってもらった。

24歳で生理不順、26歳で早発閉経

西川 大変な経験をされましたね。27歳になる直前、早発閉経と診断されたそうですが、この病名はご存じでしたか?

千種 いえ、知らなかったです。もともと、24歳くらいから生理不順はあったんです。

西川 初潮は何歳くらいで?

千種 確か、小学校5年生くらいだと思います。

西川 それは平均的な年齢ですね。初潮以降、生理は規則正しく来ていました?

千種 結構、規則正しく来ていました。21歳の時に1回乱れたんです。あの時は不正出血が原因で病院に行ったと思います。

「何事もなかったから病院に通わなかった」

千種 でも、お医者さんからは気にかかることを言われた記憶もありませんし、その後も通院した履歴もありません。あまり覚えていないのですが、何事もなかったから病院に通わなかったのだと思います。

西川 不正出血が1回あったからといって、その時点ではわからないですよ。

千種 確かにそうですよね(笑)。

西川 それで、そうこうしている間に周期が乱れてきた?

千種 そうですね。24歳くらいの時からです。

西川 その時に無月経に?

千種 いえ、生理不順という感じでした。来たり、来なかったりという感じで。薬を飲むと生理が来て、飲まないと来ないという状態でした。今思えば、閉経に向かっていく途中だったのかなと思います。

西川 おそらくそうですね。

千種 閉経していく途中は、そんな感じなんですか?

西川 早発閉経は一般的な閉経とは違うんです。一般の閉経は、月経周期が短くなってきて、そこから生理が起きるタイミングが飛び始めます

千種 え?短くなるんですか?

西川 そうなんです。一方、早発閉経は、突然来なくなってしまう可能性があります。この病気には2つのタイプがあるんですけど、ひとつは完全に月経が来なくなる無月経のタイプ。もうひとつは、卵巣の中に原始卵胞がかすかに残っていて、それが時々育って排卵をする。この場合だと、ひょっとしたら治療の対象になるかもしれません。