そんな状況でも、孫たちはすくすくと育っているという。

「2人とも素直なええ子でね。1人は男前で、自宅前でよう野球のバットの素振りをしてましたわ。野球部で頑張っとるんやろうね」(別の近所の住民)

 亡くなった充弘さんは会社員だったようで、

「朝5時30分か6時ごろに車で出勤しとった。でも、最近になって引退されたんやろ、車がなくなって、出かける姿も見なくなかったから。ちょうど今は自治会の班長だったので、回覧板を回したり、集金したりしてはった」(同・住民)

 殺人に発展するほどのトラブルは見当たらないように思えるが……

「奥さんは癇癪持ちではあったけど、孫の子育てはちゃんとされていました。熱心さのあまり、学校にクレームを入れたこともあるようでね。一度、電話でご主人に“孫は○○○なんだから!”という怒鳴り声が聞こえたから」(近所の主婦)

 佐登美容疑者の犯行動機については、これからの捜査で明らかになっていくだろう。そんななか、警察は困った状況があるようで……。

事件から5日経っても遺体は警察署の霊安室に放置

「遺族である娘さんが引き取りに来ないので、充弘さんの遺体は警察署の霊安室に今もあります。司法解剖が終わって、事件からすでに5日も経っているのに放置されたままなのは異例です。

 お孫さんについては、殺人現場となった自宅に2人だけで住まわせるわけにはいかないので、児童相談所に一時的に預かってもらっています。ええ、娘さん(母親)が引き取りに来ないので……」(捜査関係者)

 荼毘に伏されない充弘さんはもちろんのこと、孫たちも不憫でならない。傷ついた子どもたちを唯一癒せるのは母親しかいないのではないだろうか。