「複数人で訪問し、どうしたいのか希望を聞いています。内容は明かせません。高齢者の生命に危険がおよぶ状況があれば、当事者の意向にかかわらず強制的に引き離すこともありますが、そうはならなかった。支援を続けるつもりでしたから残念な結果ですが、対応に問題はなかったと考えています」(同担当者)

 嘉朗容疑者は《友達も家族も彼女もいない激戦区のような環境》と嘆くが、ケンカする家族はいた。同級生の家族によると、旧友らと酒席を囲むこともあったという。

知人男性への“不気味”発言

 一方、独特な雰囲気を醸し出すことも。

「ホストが着るような派手めのスーツを着て、カバンも財布も派手でした。財布には紙幣がびっしり入っていて、お金持ちなんだなと思っていた。年齢の割にはまったりした喋り方でしたが、別におかしなところはなかったんです。ところが今夏、急に変なことを言い出して……」(知人男性)

 嘉朗容疑者は顔を合わせるや、

「卑猥な写真の“あの女”どうなった?」

 と聞いてきた。

 何のことかさっぱりわからず、聞き返すと、

「とぼけなくていいから」

 などと言うばかりで、具体的な説明をしなかったという。

「卑猥な写真など心当たりがないし、“あの女”がだれを指すのかさえわかりませんでした。最後は“とぼけるんならまあいいや”などと言われ会話は終わったんですが、以前とは様子が異なりました」(前出の知人男性)

 様子はおかしくなるばかりで、11月には両親や親戚を相手取って裁判をするとして、訴訟準備金30万円の寄付をSNSで募った。

 自分の名前を利用して知人から巨額の金を奪ったとか、実家の資産を相続させないつもりだとか。資産額は3400万ドル(約45億円)とするが、登記簿謄本によると、自宅の土地・建物は父親が約2000万円のローンを組んでこつこつと返済してきたにとどまり、ほかに財産らしきものは見当たらない。

「父親は警備会社に長く勤め、母親は気功教室で講師を務めていました。母親はハキハキとして明るく、まめにゴミ出しする姿をよく見かけました。穏やかな夫婦なのにどうしてこんなことになってしまったのか」

 と近所の別の女性は同情する。