水木一郎さんとの秘話

 今回で49回を迎えた『歌謡祭』だが、特に忘れられないものになったと合田氏は振り返る。

「今回の歌謡祭の構成を決めていた昨年9月、ここ数年一緒に司会を務めている森口博子さん(54)から“アニソン特集をやってください”とお願いされて。それでささきいさおさんに『宇宙戦艦ヤマト』、尾藤イサオさんに『あしたのジョー』を。

 八代亜紀さんには『残酷な天使のテーゼ』をカバーしてもらうなどいろいろ決めていく中で、“アニソン界のアニキ”である水木さんにも出演をお願いしたところ、快く『マジンガーZ』を歌ってくれることになったんです」

 しかし水木さんは昨年7月にリンパ節や脳への転移を伴うステージ4の肺がんを発表していたこともあり、実際にステージに立ってもらえるかはギリギリまで分からなかったという。

「関係者からは“体調次第では、当日来られないかも知れません”と言われていました」(合田氏、以下同)  

 合田氏の心配をよそに、車いすでステージに登場した水木さんは、合田氏と森口さんと共にパワフルな歌声を披露。

「歌い終わったあと、水木さんは“また戻ってきます”と宣言してくださったのですが、収録してから1か月も経たないうちに旅立たれてしまい……。でも長い歴史のある歌謡祭で、初めて組んだアニソン特集で、一緒に歌えたのは自分にとっても大事な思い出です。水木さんの歌う姿を多くの人に見ていただきたいですね」

 1月3日は、テレビの前から離れられなさそうだ。