一方、当時、被告とともに世間に叩かれたのは、ミスをしたと疑われた新人職員A氏。

「フロッピーディスクを使って振込先のデータを金融機関に渡していたこともあとから発覚。この時代錯誤な阿武町役場の体制が火に油を注いだ。新人職員A氏も炎上し、名前、個人情報がネット上に晒される事態に」(スポーツ紙記者)

 8月に本誌が取材した際は、阿武町役場に勤務し続けるも針のむしろ状態だった。あれから4か月経った今は……。

「まだいますよ。何事もなかったかのように働いています」(前出・町議会関係者、以下同)

 だが、炎上の火種はまだ消えてはいないという。

「騒動にかかった費用は、弁護士の着手金330万円と成功報酬の463万円(誤送金の10%)、職員の出張費などで合計約1002万円でした」

 冒頭にあるように町は被告から解決金347万円を手に入れたわけだが、

「差額の約650万円は町税で支払われており、町民が“借金”を背負わされたようなもの。町議会で“民事では解決したのだから後ろ向きな発言は今後控えよう”と町の方針が発表されたのですが……。町民が納得するとは到底思えません」

 そんな中、田口被告の刑事裁判が27日、山口地裁で行われた。検察側は論告で「大胆で悪質な犯行」とし懲役4年6か月を求刑した。弁護側は無罪を主張しており、まだまだ話題の尽きない誤送金騒動。職員A氏が心の底から安心できる日は来るのだろうか。