睡眠薬や痛み止め、身近な薬に潜む危険

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 実は日常的に使っている痛み止めや睡眠薬にも、種類によって強い副作用がある、と寺田医師。

「身近な薬で女性が乱用しやすいのが、生理痛や頭痛を抑える痛み止め。解熱鎮痛剤と呼ばれる薬で、種類は複数ありますが、なかでも強い副作用で知られるのがNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる痛み止めです。

 胃炎や出血性胃潰瘍を引き起こすリスクがあり、医療機関では胃薬が一緒に処方されます。しかしのみ続けるうちに胃薬の服用が面倒になって単独でのみ続け、ひどい場合は出血性胃潰瘍で黒い便が出たり、血を吐いたりすることも

 NSAIDsは、薬局でも簡単に手に入るため、間違った服用で副作用を引き起こすケースが後を絶たない。特に女性は生理痛や頭痛でNSAIDsに依存し、知らないうちに慢性的な薬物乱用頭痛にも悩まされている女性が多くいるという。

 痛み止めが手放せないほど症状がつらい場合は、病気が隠れている可能性もあるため、まずは医療機関で医師の診断を仰ぐようにしたい。

「睡眠薬は身近な薬で、安全なイメージを持つ人も多いですが、種類によっては強い依存を引き起こします。

 なかでも注意したいのが、入眠まで短時間で効果が表れるベンゾジアゼピン(BZ)系の薬。依存状態になった30代女性の患者さんは、薬がないと不安で落ち着かず、少し離れたゴルフ場にも行けなくなりました。

 日常生活に支障をきたす睡眠薬依存は、家事と仕事の両立でストレスや不安を感じやすい30~40代の女性に多く見られます」

 BZ系の薬は不安を和らげる効果もあり、急にやめると禁断症状でパニックを起こすケースもある。

 また50歳以上の女性に増える過活動膀胱の治療薬にもさまざまな副作用がある。治療にはのみ薬だけでなく、骨盤底筋体操や肥満予防、生活習慣の改善も有効なので、自己管理も心がけたい。