平熱が35度台前半、免疫力を高める日々

 寝る間も惜しんで猛烈な勢いでがんについて調べ始めた。ネットや本から情報を収集し、ノートに書き留めていく。夫のファイティングスピリットが宿ったかのように強靱な意志と精神力で夫のがんに集中していった。

「いろいろな情報に触れると、よいと書かれていることが別の本では否定されていることもあり、混乱する部分もあります。でも多数読むことで共通している点が見えてくることがありました」

 がんが居心地悪くなる身体にするには、自己免疫力を高めることが必須だと気づいた香織さんは、その方法について徹底的に調べた。よいと思う方法は夫に伝え、夫が試してみたいというものを実践していった。

 中でも注力したのが“温活”だった。がんになってから気づいたのだが、竹原さんの平熱は35度台の前半。時には34度台のこともあった。

「体温が低いと免疫機能も十分に働かないので身体の深部の温度をしっかり上げるようにしました」

 生薬として効能が高い、びわの葉を使った温湿布やマッサージ、体温を上げる入浴法など、よいとされることは取り入れた。

 以前は外食が多く、欧米型の食事を多くとっていた竹原さんだが、自宅での食事を増やし発がん性が疑われる添加物は排除。ご飯は有機玄米に変更、一時は肉も断った。

ご飯は有機玄米に変更、肉は1年半食べなかったそう。
ご飯は有機玄米に変更、肉は1年半食べなかったそう。
【写真】がん完治後、台湾旅行を楽しんだ竹原夫妻

「にんにくやブロッコリーといった抗がん効果が高いとされる食材は毎日意識してとるように。野菜をたくさんとりたかったので、野菜のスムージーも日課として飲んでもらいました」

メンタルを整えるために「笑い」を

 またメンタルを整えるために笑うことも意識した。笑いは免疫力向上にもつながる。笑える気分ではなくてもお笑いのDVDを見るなどして、気持ちをほぐすことを心がけた。不規則だった睡眠時間を整え、睡眠の質を上げたり、漢方薬を取り入れたり、呼吸法も……。まさに二人三脚の闘病。途中、心折れることはなかったのだろうか?

「やれることがあるほうが心の救いになります。やるべきことをやって出た結果なら受け入れられるから。夫も同様の考えだったと思います。余計なことを考えず、ストイックに治療に専念したことで心が弱くならず、メンタルを整える効果もあったと思います」

 結果、がん細胞は小さくなり、やがて5年後、医師からついに「根治」と告げられた。

「現在もすこぶる順調です。今でも食事内容や温活は気をつけていますが、神経質になりすぎず、ストレスをためないよう日々を楽しく過ごすことも大切にしています。私たちがやってきたことは、すべてのがん患者にとって有効とはいえませんが、がん治療の選択を迫られている方のヒントになればうれしいです」