目次
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ー 夫は働いている様子がなかった
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ー イクメンだと思っていたのに…
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ー 元谷区議は直撃に動揺

「あなたのキャッシュカードが詐欺被害に遭っています。被害者救済法が適用されるので手続きをします」

 警察官を名乗る人物は電話口でそう話した。昨年12月10日、狙われたのは東京都調布市に住む80代の女性だ。

 約1時間後、女性宅に財務局職員を名乗るマッチョな男がやってきた。

 この男こそ、警視庁調布署が1月19日、氏名不詳者らと共謀してキャッシュカード2枚を盗んだとして逮捕した豊島区の自称不動産会社社長・板倉史也容疑者(37)だ。

「女性宅を訪問して被害者名義のキャッシュカードを封筒に入れさせると、“封印する印鑑が必要です”とウソを言って印鑑を取りに行かせた。その隙にカードと同じ大きさに切断したプラスチック板が入った封筒とすり替える手口。手品師のような小細工で奪ったカードで、直後にATMで現金約100万円を引き出すという電光石火の犯行だった」(全国紙社会部記者)

 捜査当局は、特殊詐欺グループの“受け子”と“出し子”を担ったとみて犯行の全容解明を急いでいるという。

 板倉容疑者は、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党『都民ファーストの会』の豊島区議・元谷百合奈氏(30)の夫。政治家の夫が特殊詐欺の手先だったことに地元有権者は呆れている。

夫は働いている様子がなかった

「いい年をして半グレの若造のような犯罪に走るとは情けない。だいたい、あの男はいつも犬の散歩しかしていなかった。地域の声を拾ってなんぼの地方議員の夫なんだから、地元の商店に顔を出して“妻をよろしくお願いします”ぐらい言ってもおかしくないのに挨拶もせず素通り。平日の日中でも犬の散歩をして働いている様子がなかった」

 と地元の商店主男性はばっさり。

 区内の女性有権者は、

「額に汗して働いたり、人さまに頭を下げてお金を稼ぐのはイヤなんでしょうね。高齢者を食い物にしようという発想が許せませんよ」

 と眉をひそめる。

 もし被害女性がキャッシュカードを渡さなかったらどうするつもりだったのか。