毎日“ああ、おいしい”って思いながら

小日向文世(撮影/廣瀬靖士)
小日向文世(撮影/廣瀬靖士)
【写真】おじ“カワイイ”と評判の小日向文

 夫婦という関係を続けていくには、「愛というものを超える何かを見つけていく必要があると思う」と小日向。

「長い間一緒にいると、愛だなんだって言ってられなくなるじゃないですか。それよりも感謝や尊敬、この人と一緒にいてよかったなという気持ち……そういうものがだんだん強くなっていくんじゃないかという気が、僕はするんですけど」

 実際の小日向家の様子を尋ねると、

「子どもたちとは小さいときから、寝る前や出かけるときにハグするのを習慣にしていて、今も続いてます。長男は別のところに住んでいるので、たまに来ると“おー!”ってハグしますし。次男は一緒に住んでいるので、“お父さん、お休み~”って必ずハグしにきて、出かけるときもハグして送り出します。もうクセですね。

 女房とは必ず“行ってきます”のチューを。ずっとやってるので、もうハンコみたいなものですけどね。そんな熱いチューじゃないですよ(笑)。ハイタッチのような感じです」

 夫婦ゲンカしたら大変そう。

「確かに困りますよね。でもひどいケンカはあまりしないんです。その場で収まっちゃう。理由は芝居の感想を言ってくれないとか。昔は“このシーン見てよ!”と言ってるのに携帯をいじってたりするから“なんで見てくれないんだよ!”ってケンカしてましたよ。“俺に興味ないの?”って。でも、“長いこと夫婦やってるんだから言わなくてもわかるでしょ”と言われて、ああそうかと納得しました」

 そして「もう、本当に感謝なんですよ」と妻への気持ちを。

うちの女房は料理がすごく得意で。朝も夜も、いつも用意してくれて、僕は毎日“ああ、おいしいおいしい”って思いながら食べてます。中華もイタリアンも、何でも作ってくれるんですよね。中でも評判がいいのが、タラコのスパゲティ。難しい料理じゃないですけど、隠し味に昆布茶を入れたり、バターの量やタラコにこだわったり、いろいろ凝っていて。甥っ子や姪っ子たちからも大人気です」

 稽古終わりに行われた今回の取材。「今日も帰れば何か用意してくれてます」とほがらかに笑う様子は癒し度マックス。そして肝心の、舞台の見どころは。

「この話をお受けしたときに、とにかく宮沢さんのアンナが見たいなという思いがあって。それを今、芝居をしながら間近で見ていて、本当にすっごくすてきなんです。“宮沢さんをぜひ見にきてください!”という感じです。情けない、かわいそうなカレーニンも登場しますけど、それもまあ、お楽しみに(笑)」

日々の生活で心がけていることは?

「とにかく健康を維持すること。朝と寝る前に、サプリをいろいろとってます。ビタミン系やフコイダン、ウコンとか。あと、朝は必ず黒ニンニクと乳酸菌飲料。お酒を飲んだら次の2日間は飲みません。それと、最近はできるだけ睡眠をとらなきゃなと思って気をつけてます」

舞台『アンナ・カレーニナ』

COCOONPRODUCTION2023DISCOVERWORLDTHEATREvol.13『アンナ・カレーニナ』
COCOONPRODUCTION2023DISCOVERWORLDTHEATREvol.13『アンナ・カレーニナ』

■東京公演:2月24日~3月19日
Bunkamura シアターコクーン

■大阪公演:3月25日~27日
森ノ宮ピロティホール

撮影/廣瀬靖士 スタイリスト/石橋修一 ヘアメイク/大宝みゆき