「みなさんの人生の中の2時間48分をわけていただき、ありがとうございます!」

 2月5日、主演映画『レジェンド&バタフライ』の大ヒット御礼舞台挨拶に登壇した木村拓哉

 1月27日に公開された同作は、10日間で累計動員数92万人、興行収入は12億円を突破した。

「東映70周年を記念した時代劇作品で、総製作費は20億円ともいわれています。16歳から49歳までの織田信長役を演じた木村さんのほか、共演者に名を連ねるのは綾瀬はるかさんや伊藤英明さん、中谷美紀さんなど錚々たる顔ぶれです」(スポーツ紙記者)

『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が手がけたが、大規模なアクションシーンは少なく、ラブストーリーが主になっているのが特徴だ。

もとより歴史好きの信長ファンが求める像と、今作での姿にはギャップがあり、厳しい意見が出てくるのも無理はありません。ただ、やり尽くされている信長を、あれほど新鮮に演じきれるのは木村さんならでは。タイトルから世界を意識しているように、海外でのヒットも期待できます」(時代劇に詳しいコラムニストのペリー荻野さん)

 木村の勢いはとどまるところを知らず、4月から“月9枠”で放送される連続ドラマ『風間公親―教場0―』(フジテレビ系)に、早くも注目が集まっている。

「長岡弘樹氏の小説を原作とし、'20年と'21年の新春にスペシャルドラマとして放送された『教場』。木村さんが演じたのが、警察学校の鬼教官である風間です。白髪と義眼がトレードマークで“キムタクが新境地を開いた”と話題になりました。川口春奈さんや眞栄田郷敦さんなど、若手俳優の活躍も光りましたね」(テレビ誌ライター)

'20年に放送された『教場』の完成披露試写会には川口春奈や大島優子ら豪華出演者が登壇
'20年に放送された『教場』の完成披露試写会には川口春奈や大島優子ら豪華出演者が登壇

 第1弾では15%、第2弾でも13%を超える高視聴率を記録し、連ドラ化はフジテレビにとって悲願だったようだ。

「今回は、風間が警察学校に来る前の刑事指導官時代が描かれます。連ドラ版では、風間とバディを組む新人刑事役を新垣結衣さんが演じることも発表されました。初共演にしてバディを組む、ふたりのかけ合いが楽しみです」(同・テレビ誌ライター)

 木村にとっては『HERO』以来9年ぶりの月9主演。当然、気合も入るだろうが、その先にはさらに大きな計画があるようで……。

「原作の第4弾『風間教場』をもとに、映画化の準備が進んでいるようです。4月ごろにドラマの撮影が終わるので、その後に順次、劇場版の撮影に入る予定だといいます。公開は来年を考えているみたいです」(映画配給会社関係者)

『教場』シリーズの映画化についてフジテレビに問い合わせたところ、

「製作の詳細についてはお答えしておりません」

 とのことだった。

「『ガリレオ』シリーズや、公開中の『イチケイのカラス』などに代表されるように、フジテレビのドラマが映画化された場合、高確率でヒットに結びついています。『教場』は警察ドラマであり、陰のある大人の学園ドラマでファンが多いですし、十分な観客動員が見込めるのでは。50代に入った木村さんは俳優としての幅が広がり、味のある役が似合うようになりました。これからも進化し続けていくと思います」(ペリーさん)

“信長超え”を目指し、木村の挑戦は続く─。

ペリー荻野 時代劇研究家。コラムニスト。ラジオパーソナリティー。放送作家。愛知教育大学在学中に中部日本放送でラジオパーソナリティー兼放送作家として活動を開始