お前が出てきたけん、当たったやろ
衝突直後、青山容疑者は車から勢いよく飛び出してきて、バスに向かって、
「おい。お前が出てきたけん、当たったやろ、さっき! ドライブレコーダーつけとるけん、警察呼べよ!」
とものすごい剣幕でまくしたてた。バスの運転手は当日、たまたま携帯電話を持っていなかったことから(無線はあった)乗客に、
「110番お願いします」
と告げ、乗客が通報したのだった。警察の取り調べに対して、容疑者は
「クラクション、パッシング、幅寄せ、急停車したことに間違いない」
と率直に容疑を認めているという。そもそも、なぜバスに対して執拗に“あおり運転”をしたのか? 容疑者の言い分では“「武蔵ヶ丘バス停留所」を出たバスが合流車線に急に割り込んできたからだ”と主張しているが、
「ドライブレコーダーの映像で確認したところ、バスは右にウインカーを出して、ゆっくり合流車線に入っているので、うちの運転手に非はないと考えています。一方、容疑者は追い越し車線でものすごいスピードで走っていたが、前方の車を追い越せず、仕方なく進路を左の車線に変更。そのため、バスが急に入ってきたように見えただけでしょう」(九州産交バス担当者)
大型バスを逆恨みした青山容疑者とは、いったいどんな人物なのか。
熊本市東区の地域で1、2を争う富裕農家に生まれた容疑者。両親と姉、妹の5人家族で、500坪以上ある広大な敷地には実家、容疑者の自宅のほか、容疑者が経営する自動車整備工場と板金作業所がある。実家の両親を訪ねたが、インタホーンを押しても、応答はなかった。そこで自宅にいるであろう容疑者の妻子を訪ねるも、やはり応答なし。
「この家は昔、サラブレットを養う馬舎まであったんですよ。ですが、いまじゃ農家はやめて、マンション、アパートの家賃で食べとる金持ちの跡取りですね。子どもの頃は普通やったけど、大人になってからは気が荒くなった」(近所の住民)