「会見で言うことじゃない」と大炎上

 しかし、これだけ偏愛している宇野のことさえ、スケ連は守ることができなかった。昨年末の『全日本フィギュアスケート選手権』でのことだ。

「『全日本』は世界選手権などの代表の選考会でもあります。大会後には、世界選手権代表に選ばれた選手の会見が行われ、男子シングルは宇野選手、山本選手、友野選手が出席しました。

 その中で宇野選手が“(選考結果を)うれしく思えない部分もある”と発言。具体的なことを問われると“一時の感情で変なこと言うとあれなので、コメントは控えたい”としました。しかし、“代表のほかの2選手に失礼”“会見で言うことじゃない”などと大炎上してしまったのです」(スポーツライター)

 フィギュアスケート関係者が、この騒動を振り返る。

「そもそも、スケ連が選手に対して事前に選考理由をきちんと説明していれば、このような事態は起こらなかったはず。しかも、フィギュア委員長の伊東秀仁氏はこの発言の直後、逃げるように会見場を出ていき、急きょ、竹内洋輔強化部長が対応にあたりました。そもそも遅い時間の会見で、さらに宇野選手の発言の対応を1人で背負わされて、竹内強化部長は心身ともに疲弊したことでしょう」

 別の関係者が続ける。

「スケ連は、組織の体質なのかほかにも問題アリな人が多くて。理事も務める男性広報担当者は、若い女性記者とはコミュニケーションをとるのですが、気に入らない人は無視しますから。こういったところから改善しないと、羽生さんのようなスターが再び生まれることはないのでは」

 フィギュアの未来は、スケ連にかかっているようだ。

折山淑美 '90年代初頭からフィギュアスケートを取材し、'10年代からは羽生結弦を丹念に追っている。'21年には羽生との共著『羽生結弦 未来をつくる』(集英社)を出版