「精油」を買うときは裏面表示をチェック!

 最近はインターネットで購入するのが主流となっている精油。本物を選ぶには、どうしたらいいだろうか。

「必ず『精油』か『エッセンシャルオイル』と書かれています。裏面には『学術名』や『抽出部位』、『抽出方法』、『原産国』を表記しているメーカーがほとんどです」

 価格も大切だ。

「『精油』の種類にもよりますが、販売価格は安くても柑橘系で約1千~2千円の価格帯です。そもそも本物はものすごく少量しかとれず、高価なもの。あまりに安いものは『ちょっとおかしい』と思ったほうがいいですね」

 つまり「精油」と書いてあっても、極端に安いものは要注意だ。

「『精油』という表示なのに非常に安い商品があって販売元に問い合わせました。『皮膚に使用してはいけない精油』との回答で理由は教えてもらえず。安全に使えば『精油』はに塗れるという常識が崩れてきています」

 さらに効能にこだわるなら、成分分析がされて構成比率がわかっている「ケモタイプ(化学種)精油」があるメーカーを選ぶと安心。同じ植物でも育った環境によって含まれる成分が変わるため、効果効能に違いが出るそうだ。

「代表的なのはローズマリーの精油。3タイプあり『シネオール』なら鼻やのどの不調に、『カンファー』なら筋肉や神経に働きかけるなど、効果も異なります。フランスではそれぞれの特徴を医療の中で役立てているんです」

 例えば品名に「ローズマリー」ではなく、「ローズマリーシネオール」などと書かれていれば違いを認識して販売している証拠。そのようなメーカーなら安心して購入できるという。ケモタイプは香りが奥深いので、違いを比べてみるのもいい。

 たとえ安全な「精油」が買えたとしても、使い方を間違えると危険だ。ネットなどで驚くような使い方が広まっていることにも警鐘を鳴らす。

「私の生徒さんには『マスカラにラベンダーの精油を入れるとまつげが伸びる』という話を聞いた人がいるんです。『精油』が目に入る可能性のある使い方は言語道断。絶対にやってはいけません」

 正しい知識を身に付け、それぞれの目的に合わせて安全に楽しみたい。

「精油」はココをチェック!

 間違って買わないための要確認箇所!

裏面表示

「精油」か「エッセンシャルオイル」の表記とともに抽出部位、抽出方法、原産国が書かれているかを確認しよう。天然成分100%のものなので、成分として香料や界面活性剤などの記載があれば「精油」ではない。

【真性ラベンダーの場合】
Lavandula angustifolia
抽出部位:花・葉
抽出方法:水蒸気蒸留法
原産国:フランス

価格

「アロマオイル」は「精油」に比べて価格が安い。「精油」は品質が上がるにつれて価格も高額になっていく。

 また、極端に安い「精油」は、農薬を使用した植物から作られている可能性があるため、香りを楽しむのはいいが塗布しないほうがベター。

匂いをかぐことで、記憶力を上げる認知症予防など、脳に働きかける作用もある
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小野江里子さん●アロマエキスパート。株式会社イシス代表取締役。不調解消に精油を使ったことがきっかけでアロマテラピーの世界へ。現在はアロマスクールも主宰。近著に『薬に頼らないアロマ的セルフケアレシピ』(ソシム)。
小野江里子さん●アロマエキスパート。株式会社イシス代表取締役。不調解消に精油を使ったことがきっかけでアロマテラピーの世界へ。現在はアロマスクールも主宰。近著に『薬に頼らないアロマ的セルフケアレシピ』(ソシム)。
教えてくれたのは……小野江里子さん●アロマエキスパート。株式会社イシス代表取締役。不調解消に精油を使ったことがきっかけでアロマテラピーの世界へ。現在はアロマスクールも主宰。近著に『薬に頼らないアロマ的セルフケアレシピ』(ソシム)。

(取材・文/松澤ゆかり)