【条件2】受け取れる年金を増やす

 年金の受給額を増やす方法はいくつかある。

 手っ取り早いのは、年金加入期間を延ばす方法。働いている人の場合、定年退職後も再雇用などで仕事を続ければ、その分厚生年金額が増える。

 一方で自営業やフリーランスなど、厚生年金の対象でない人は国民年金に月額400円を追加で納めることで、将来の年金受給額を増やせる付加年金という制度も覚えておこう。

 また60歳でまだ最長40年間ある老齢基礎年金加入期間を満たしていないようなら、65歳まで加入期間を延ばせる国民年金の任意加入が利用できる人も。年金額はその分増やすことが可能だ。

 65歳からの年金受給を後ろに繰り下げても、年金額は増える。繰り延べは1か月単位で70歳からなら42%、75歳まで延ばすと84%も増額される。この増額はかなりおトク。

 65歳以下の場合は、個人で加入して公的年金にプラスして給付を受けられるiDeCoを使うという手も。運用する商品を自分で選び、自分で掛け金を積み立てる制度で、掛け金分は所得控除となり、運用時の収益も非課税。年金や一時金で受け取るときも税制優遇が受けられ、老後資金を貯めながら節税できるおすすめの方法だ。

「もちろん老後は働かずに済むのが理想。でも年金は不足するのが当たり前だと考えて、前向きに手を打っていきましょう。

 年金を増やすにはまず働き続けること。それには健康でいることがキホンです。ひとり老後は体力という大切な資産をどれだけ守っていけるかがポイント」

【年金を増やす方法】

〈1〉会社員なら70歳まで働き、厚生年金を増やす 〈2〉60歳以降、国民年金に任意加入し、加入期間を増やす 〈3〉国民年金なら付加保険料(月額400円)をプラスし、付加年金を上乗せ 〈4〉個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用する 〈5〉受給年齢を繰り下げ、割り増し分を加えて多めに受け取る