使う水量の多い場所から節約すべし

 水道は、電気やガスとは違い、安い会社に乗り換えるといったことができない。利用できる水道局が固定されている以上は、使う水量をコツコツ削るという意識が大切だ。

 東京都水道局の調査による家庭水道の使い道の割合をみると、お風呂が40%、トイレが21%、炊事が18%、洗濯が15%。そのため、この多い順から水を減らしていけば節約効果がしっかり見込める。

家庭でかかる水道代の割合 出典:東京都水道局平成27年度一般家庭水使用目的別実態調査
家庭でかかる水道代の割合 出典:東京都水道局平成27年度一般家庭水使用目的別実態調査
【写真】家庭でいちばん水道代がかかるところはどこ?割合グラフをチェック

 では秋山さんがおすすめする節約テクは?

お風呂ではダントツに『節水シャワーヘッド』。メーカーによって、節水率も40%~80%までさまざまなものがあります。つけ替えるだけで水量がセーブされるので、水を温めるための電気・ガス代もカットできて一挙両得です」

 一般的なシャワーを1分間流し続けると、使う水の量は15リットルにもなるといわれている。これをどれだけセーブできるかが水道代の節約の肝だ。

 シャワーヘッドには、手元のボタンでこまめに水を止められるものもあり、無駄遣いをカットできる。便利さの面からみても、買って損はない。

 また、湯船に張るお湯の量を少なめにして、「半身浴」を習慣にするのも手。発汗作用で老廃物のデトックス効果が得られたり、血行が良くなることでむくみ解消効果も得られる。

 湯船たっぷりにお湯を入れるよりも水圧の負担が身体にかからないため、心臓や肺が弱い人、高血圧の人にも試してもらいたい。

 トイレでは、まず大小レバーの使い分けを徹底すること。

「そのうえで、タンク式のトイレでは『節水リング』『ウォーターセーバー』といった流れる水量をセーブするパーツをつけるのが手軽。ホームセンターで1000円前後で買えるものもあるので、コスパも十分」

 炊事と洗濯では、いかに少ない洗剤と水できれいに洗えるかを意識するといい。

「油汚れのついた食器は、まず新聞紙などで汚れを拭き取ってから流し場に。洗濯では、洗剤を粉ではなく、『すすぎ1』対応の液体洗剤にし、すすぎを1回で済ませます

 家族の多い家は使用量も多い。「だれかひとりがエコでもダメ、みんなでエコが効果的な節水の鉄則です」