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ー WBC決勝は世帯視聴率42.4%

 ダウンタウンの松本人志(59)。レギュラー出演していた『ワイドナショー』(フジテレビ系)を卒業する際に「ネットニュースの人」に注文を付けた。

「『ネットニュースの人』とはネットニュースを書く人、記者、ライターのことで、松本は彼らがきちんと視聴率の核心について報じていないと、最後の最後に嘆いたのです」とスポーツ紙放送担当記者が伝える。

『ワイドナショー』とよく視聴率を比較されるのは、表裏の関係にあり、同時間帯に報道されている爆笑問題がMCを務める『サンデージャポン』(TBS系)。

「『ワイドナショー』が視聴率で『サンジャポ』に負けていると書かれることが、松本は腹に据えかねていたわけです。そのことを『めちゃくちゃやわ』『おっさん、泣きそうやわ』と嘆き、『ネットニュースの人、視聴率のことを書くなら一番重要なコア視聴率を勉強してください』と皮肉ったのです」(前出・スポーツ紙放送担当記者)

WBC決勝は世帯視聴率42.4%

 松本が発した“コア視聴率”という、一般的にはあまり聞きなれないワード。WBCで盛り上がった翌日、その視聴率が新聞でにぎやかに報じられたが、

「WBC決勝 テレ朝視聴率42.4%」(一般紙)
「WBC決勝 驚異の視聴率42.4%!」(スポーツ紙)

 といった具合に、取り上げられているのは世帯視聴率。週間視聴率を毎週、表組で掲載する新聞もあるが、その順位付けになっているのは世帯視聴率が主で、個人視聴率が添えられているというスタイルだ。

 WBCの視聴率報道を見ても、松本が「勉強してください」というコア視聴率を大々的に報じてているメディアはない。なぜ「ネットニュースの人」は、コア視聴率に触れないのか。前出・スポーツ紙放送担当記者が事情を解説する。

視聴率を発表しているのはビデオリサーチ社だけです。オープンソースは世帯視聴率と個人視聴率。年齢別、性別の視聴を反映するコア視聴率は、ビデオリサーチ社と契約しているテレビ局等でないと見ることができないのです。コア視聴率によって、CM枠がどう売れるか決まりますから、テレビ局にとっては、松本が指摘するように重要な指数です。いわゆるインナーの数字であり、『ネットニュースの人』は、コア視聴率を知ることはできないし、テレビ局の人から入手したとしても勝手に使うことができないのです。

 ビデオリサーチ社のデータを記事等に使用する際は、オープンソースであっても本来的には事前に問い合わせをする必要がありますからね。ま、長年の慣習で、記事に『ビデオリサーチ社調べ』というクレジットを入れれば問題は発生しませんが」

 世帯視聴率は、前出のWBCの際の「42.4%」のようにボリューム感が伝わる。何人が見たか、という視聴者数も1000万人、2000万人と報じられれば、それはすごいな、という印象を受ける。

 コア視聴率を知っているテレビ局でさえも、「列島熱狂 WBC決勝戦 視聴率42%超」(テレビ朝日『グッド!モーニング』)と表記する。

「コア視聴率を見出し的に報じるとなると、『コア視聴率3.4%』となり、これじゃすごさは全然伝わらないでしょう。コア視聴率が放送業界内部の情報であり、それを報じたところで一般の人はピンと来ない。松本が言うようにコア視聴率のことを勉強すれば書き方は変わると思いますが、世帯視聴率に変わってコア視聴率が報じられ、それが『すごい!』と受け止められることはなかなか現実的ではないと思いますよ」(前出・スポーツ紙放送担当記者)

 松本の嘆きが、「ネットニュースの人」に伝わったとしても、視聴率報道のあり方が変化することは当面なさそうだ。