女性政策の充実には「票ハラ防止」がカギに

 状況を変えていくには、どんな対策が必要だろうか。

「実は、日本にはハラスメントを禁止する法律がありません。民間企業の雇用主に対しハラスメントを防止する措置義務を定めた法律はありますが、加害自体を禁じるものではないんです。こうした言動がハラスメントに当たり、それを禁止するという法律を作ることが重要です」

 と、濱田さん。自治体レベルでは'22年6月、議員や候補者へのハラスメント防止条例が福岡県で作られたほか、大阪府でも今年2月、同様の条例が成立している。

「こうした倫理条例を各都道府県に作ることが、法整備に向けての第一歩になると思います」(濱田さん)

 一方、田村さんは有権者にできることとして、「応援してくれる人の声が聞けるのは、すごくうれしい」と話す。

「ネットに私の記事が掲載されたとき、“子どもがかわいそう”というコメントの中に1つだけ、“父親が子どもの世話をしているから母親は政治活動を頑張れ、という声がもっとあってもいいはず”という意見があったんです。

 候補者や政治家は基本的にバッシングを受けることの多い立場。ポジティブな反応を聞ける機会が少ないので、励みになりました」(田村さん)

 介護や子育ての支援を充実させたければ、生活実感のある女性議員の増加が不可欠。そのためには「票ハラ」防止が重要なカギといえそうだ。