2022年4月7日、東京ディズニーシーが開園する5時間半前からできていた長蛇の列。この日に発売される新グッズ購入が目的で、並んでいたのはショップに入るための整理券を求める人々。

 ところが、新グッズは「お一人様1点限り」の購入制限がかけられていたため、大勢で押しかける人、そしてベビーカーに“フェイク赤ちゃん”を乗せて、2人分と偽って購入を画策する人も。しかし、店員に声をかけられて“赤ちゃん”が人形であることが発覚。未遂に終わったという。

 この時に話題になった、ベビーカーに乗せられた“赤ちゃん”が1年経って「立っている」などと、まるで本当の赤ちゃんが成長したかのように揶揄する声が上がっているというわけだ。

 冒頭のツイートの他にも、40周年記念グッズ販売が開始されて以降、ベビーカーに赤ちゃん人形を乗せてリゾート内を闊歩する別の来園客、さらには“赤ちゃん”が寝ているであろうベビーカーの上に大量の買い物袋を無造作に積み上げる買い物客の姿も報告されている。

赤ちゃんも人数分に数えられる

 近年、限定グッズやコンサートチケット、はたまた日用品に至るまで、転売品と思われる多数の商品がフリマアプリ『メルカリ』やネットオークションに出品され、企業や店舗が対策に追われる現状がある。

 世界中にファンがいるディズニーグッズも同様にターゲットとされているため、新グッズのたびに売り場では争奪戦が起きる大混乱に見舞われていた。その対策の一環として、購入時の個数を制限する措置が取られることに。

 流通とマーケティング事情に詳しい物流ジャーナリストに聞くと、

ディズニーの場合は新グッズや限定グッズによって対応が異なり、例えば、おー人様1点限りだったり、1回の会計につき1商品を1個から3個までといった具合ですね。よって人数が多いほどにその分だけ多く購入できることになります。

 その(転売を疑われた)方が、どんな理由で人形を連れていたのかはわかりませんが、仮に“本物の赤ちゃん”と人数分を数えて購入していたのならば、一人分多くグッズを買えたことになりますね」

 とはいえ、“赤ちゃん人形”を連れ歩く人がみな転売目的とは言い切れない事情もある。というのも赤ちゃんを授かれない、また亡くした夫婦のために精巧に作られた“ドール”も実在し、本当の赤ちゃんのように可愛がられている現実もあるからだ。

 そのためか、“フェイク赤ちゃん”との同行を批判する、おもしろがる一方で、“ドール”であった場合に、勝手に“赤ちゃん”を撮って晒したことを批判する論争もSNS上で巻き起こっている。