漫画に刺激されて発案した

「サンソンという人物をボクは知らなかった。歴史の教科書に載っているような人物ではない、歴史の裏舞台で活躍した人間。そういう人間がいたことを皆さんに知って頂きたくて」

 この舞台の発案をしたのだという。はじめに坂本眞一の漫画『イノサン』を読んで、その絵の美しさに魅せられ、興味を持ったという。

「その後、『死刑執行人サンソン』という本を読んで。この人物をぜひ舞台でやりたいな、と提案させて頂いた」

 サンソンは3000人もの処刑を行った人物。

「重い作品なので引きずられますね。夢にも出てきたり。重々しいシーンが多く、人の命がテーマになっているので、どうしても」

黒いマントに身を包む長髪の稲垣(撮影/渡邉智裕)
黒いマントに身を包む長髪の稲垣(撮影/渡邉智裕)
【写真】舞台衣装で登場した稲垣、報道陣に「キラキラしてますか、僕ら?」

 役柄にどっぷり入り込んでしまったという稲垣だが、共演者から見た印象は?

「すごくほんわかされていて、話しやすかったです」(佐藤)

「お芝居の細かいところまで見てくださっていて、これからもいろんなお話をしたいです」(崎山)

 座長を立派に果たした模様。なかでも座長が“稽古中いちゃいちゃしていた”お相手はルイ16世役の大鶴だ。

「ある意味、サンソンとルイ16世のラブストーリーでもあるので。イチャイチャしてましたね」(稲垣)

 4人でワイン談義も盛り上がったという。

「(公演が)終わったら3人に可愛がってもらってワインをごちそうしてもらいたい」

 と言う稲垣に全員が“逆です”とツッコんだ。

舞台は、本当に自分がいちばん自分らしくいられる場所。無理もなく、違和感もなく、自由にいられる場所。自分の場所だなって思いますね」

 苦悩する死刑執行人サンソンを全身で演じ切る舞台上の稲垣吾郎を目撃せよ!

舞台『サンソン ―ルイ16世の首を刎ねた男―』
東京公演:4月14~30日に東京建物Brillia HALL
大阪公演:5月12~14日にオリックス劇場
長野公演:5月20、21日にまつもと市民芸術館
詳細はこちら
https://sanson-stage.com/

(取材・文/ガンガーラ田津美)