社長に必要とされる“カリスマ性”

 しかし、いくらネームバリューがあるといっても、俳優業の仕事の現場と事務所経営では話が変わってくる。また、当たり前だが自身の俳優としての活動もあるだろう。単なる“お飾り”になるのでは、という声もあるのだが─。

当然、彼が100%経営を担うわけではなく、野球でいうプレーイング・マネージャー、監督兼選手のような立ち位置になると思います。今、山本氏の下で経営に携わっているスタッフが主力として動くでしょう。

 そういう意味では“お飾り”なのかもしれませんが、小栗さんは後輩たちからの信頼も厚く、自身で映画監督をしたこともあって裏方の仕事にも理解があります。そういった素地から“あの人にならついていきたい”と周囲に思わせる、“カリスマ性”が彼にはあるので、悪い意味での“お飾り”ではないと思います

 俳優と社長業、共に結果を求められるようになる小栗。今まで以上に忙しくなり、自身の仕事についてだけ考えることは、周囲も納得してくれないだろう。これからの活動について宝泉氏は、

「彼ももう40歳。イケメンだというだけで主役を張れる時期ではありません。おそらく小栗さんは俳優業よりも、以前から口にしていたユニオン結成などに重点を置く活動になるのではないでしょうか。

 大河ドラマで主演も務めました。俳優として次は何か、となったときにハリウッド進出を考えていると報じられもしましたが、そう簡単な話ではありません。嫌な言い方をすれば、社長業が忙しくてハリウッドに挑戦する時間がない、という言い訳もできるわけです(笑)。なので、今回の社長就任については、チャレンジではなく今の足元を固める、どちらかというと保守的な方向なのかな、と感じました」

 小栗の社長就任にメリット、デメリットさまざまな報道が出る中、ほかの事務所にとっても新たな事務所経営方法の“試金石”となることは間違いないだろう。