組織的なバックアップが必要

 言葉だけでなく、退所後の彼らをサポートする存在も必要だという。

個人でやるだけでは、いくら彼らの実力や人気をもってしても、ただの“有名な人”になってしまうかもしれません。組織的なバックアップは必要でしょう。アメリカの事務所ではなくとも、世界で戦えるノウハウを持つ事務所に入ったほうがいいと思います

 現代は“サブスク配信”の浸透により、チャンスは広がっているという。

「今、アメリカでチャートの上位に入るのは、アメリカのアーティストだけではありません。『BTS』や『BLACKPINK』の曲は大部分が韓国語です。また、去年アメリカで最も聴かれたのは、『バッド・バニー』というアーティストのスペイン語のアルバムです。このヒットは、以前なら“アメリカ国内でスペイン語を話す人口が増えたから”だと受け取られていたと思います。

 でも、'10年代の後半から、曲のダウンロードやCDからサブスクでの配信が中心となり、音楽の聴き方が変わりました。試しに聴いてみて気に入れば、ジャンルや言語を気にしないで繰り返し聴かれるようになりました。ユーザー主体で“正しく評価”できるようになったんですね」

BTSの7人。左からV(テテ)、SUGA、JIN、グク、RM、ジミン、J-HOPE
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 いい曲であれば、国籍やジャンルを気にせずに聴かれるようになったのだ。

「今、世界で活躍するにはサブスクは必須。流行りの曲をとりあえず聴くという人も多いため、“特定のアーティストや曲が流行り続ける”現象もありますが、それでもサブスクなら、どの人にも均等にチャンスがありますからね」

“期限”は訪れてしまったけれど、“ボクはまたキミに恋するんだろう”─。

池城美菜子 音楽ライター/翻訳家。ヒップホップ・カルチャーを中心にアメリカの世相、映像作品について執筆と翻訳、歌詞の対訳を手がける。著書『ニューヨーク・フーディー』、翻訳『カニエ・ウェスト論』など