当落ははがきのひと言で変わると35年で実感!

「いつものようにラジオを聴いていたら、涙が出るほど感動的な話を聞くことができて。懸賞そっちのけで、その気持ちをしたためて投稿をしたんです。

 すると、なぜかその放送回の懸賞の当選品である、当時5万円ほどのガスファンヒーターに当選。応募していないのに!

 懸賞はがきはちゃんと読まれていて、コメントを書くなど熱意の差が当落に関わると気づきました」

最近の戦利品の一部、エステのチケット2万円分
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【写真】華美なデコレーションはいらない!達人が教える懸賞の心遣い

 さらに、1996年にはオープン懸賞(※)の当選金の上限が1000万円に上がり(現在は上限なし)、懸賞への注目度が上昇。“懸賞達人”としてメディアで紹介をされ、雑誌と夕刊紙で連載を持つまでに。※商品やサービスの購入を条件とせず、誰でも自由に応募できる懸賞

 今では当たり前となった応募時のコメントや“はがきデコ”のワザも惜しみなく紹介しつつ、自身もよりテクニックを極めて当選を重ね、ついには総額4000万円を超えた。

 順風満帆の懸賞ライフに暗雲が垂れ込めたのは2008年のリーマン・ショック時に日経平均株価が1万円を切ったころ。

「当選品が一気に縮小しました。現金1万円が1000円になったり、ラジオなどは番組のステッカーになったり。逆に明治の『R-1』などヒット商品を出した企業の当選品は豪華に。懸賞は経済とリンクするんだと実感しました」

 では、現在の懸賞界は? コロナ禍で落ち込んでいた経済が回復傾向となり、活況を取り戻していると語る。

「現金は1000円~1万円に。5万円というものも増えてきました。クオカードなどの金券も500円から2000円が主流になっています。星野リゾートやリッチなグランピング旅行の当選品も多い印象です。

 日本の株式市場は33年ぶりに最高値を更新しましたし、この景気が持続すれば“懸賞界に再びバブル期が!?”と期待しています(笑)。SNSで手軽に応募できる時代ですから、応募しないともったいないです!」

最近の戦利品の一部、サッカーワールドカップの公式レプリカボール
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