「自分に自信が持てず、いつしか人の顔色ばかりうかがう大人になっていました。それは友人関係でも恋愛関係でもそう。でもタレントというのはテレビで自分のことをお話しする機会が多く、“どういう言い方をすれば人から嫌われないだろう?”“このひと言がきっかけで炎上してしまうのでは?”という怖さやプレッシャーを常に感じていました」

 加えて20代後半になると、タレントとしての危機を感じるようにもなった。芸能界を見渡せば、才能ある人材が次々現れる。彼らと比べ自分には何があるのか、この先何ができるのか。

幼稚園から守ってきてくれた菜々緒

「いくら悩んでも答えは出なくて。ならばいっそ環境を変えよう」

 と、日本脱出を決意。韓国を訪れる前に、パリに向かっている。

「海外でモデルとしてやっていきたい、という夢もありました。だけどゼロからのスタートで、簡単なことではなかったし、絶望も味わいました」

 一つひとつエージェントの扉をノックし、必死に売り込みを続けた。努力のかいありついに事務所が決まるが、

「パリでも韓国のことばかりチェックしている自分がいて。やっぱりフランスじゃなかった」

 と、韓国の水が合うのではないかと考え、移住を決める。

「韓国にはいつか住んでみたいと思っていたので、すごく楽しかったですね。毎日地元で人気のカフェやご飯屋さんに行ったり、ドラッグストアに寄ってはコスメをあれこれ試してみたり……。韓国語も日常会話は困らない程度に話せるようになりました。日本から韓国に遊びに来る友達も多くて、ここぞとばかりに美味しいお店を紹介していました(笑)」

 その1人が女優の菜々緒。幼稚園からの親友だという。

菜々緒ちゃんは弱かった私のことを助け、ずっと見守り続けてきてくれました。だからなのか、私の変化にも気づいたようです。韓国でおすすめの美味しいユッケビビンバのお店に案内したら、ひとりでお店を開拓して、友人に紹介する姿に対して“あれ、かよが何だか大人になってる!”と言ってくれていました」

 韓国では出会いもあった。友人の紹介で韓国人男性と知り合い、真剣交際に発展したが、今は別れている。

「今となってはそれもいい思い出です。世の中にはステキな男性がまだまだたくさんいますから! 私はスパッと割り切って次に行くタイプなので!」

 とすっかり吹っ切れた様子。