目次
Page 1
ー ホラー映画が人気を博した経緯
Page 2
ー “悪魔”の汎用性
Page 3
ー ジャパニーズホラーの評価
Page 4
ー 細分化が進むホラー作品

『プー あくまのくまさん』『M3GAN/ミーガン』『Pearl パール』『ミンナのウタ』『ホーンテッドマンション』『ヴァチカンのエクソシスト』『ヒッチハイク』……これらはすべて、今夏公開の国内外の新作ホラー映画だ。

 キャラクター系、悪魔系、都市伝説系などなど、今年の夏もさまざまなタイプのホラー映画が、私たちの心臓をキュッと、背筋をゾッとさせるに違いない。

 振り返れば、国内外のホラー映画は、日本の納涼を演出し続けてきた。日本の夏には、あの世から死者の霊魂が帰ってくるとされる「お盆」があるため、怪談話が定着したといわれており、そのタイミングに合わせ、数々のホラー映画が公開されるようになった。ホラー映画の金字塔と呼ばれる『エクソシスト』のアメリカ本国公開は'73年12月26日だが、日本では翌'74年7月13日。日本の夏は、ホラー映画の旬でもあるのだ。

ホラー映画が人気を博した経緯

 では、いつごろからここ日本でもホラー映画を目にする機会が増えていったのか? 映画ライターのよしひろまさみちさんに伺うと─。

「アメリカでは、'73年に『エクソシスト』が大ヒットした後、'78年に『ハロウィン』と'78年に『ゾンビ』という世界的にも大きな衝撃を与えた作品が登場します」

『ハロウィン』は超人的な殺人鬼が、『ゾンビ』は人肉をむさぼり食う死者が描かれる。こうした流れを踏まえて、「“スプラッター映画”と呼ばれる、血しぶきが飛ぶようなホラー映画が隆盛し、ここ日本でも人気を博すようになっていく」とよしひろさんは説明する。

「'80年代には、『13日の金曜日』のジェイソン、『エルム街の悪夢』のフレディ、『チャイルド・プレイ』のチャッキーなど、今に続く人気キャラクターが次々と誕生しました。これらの映画は、“クラスの人気者のような陽キャが最初に被害に遭う”といった、いわゆる“お約束”が多いことも特徴です」(よしひろさん、以下同)