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ー 地味というか、若干だけど陰湿な感じ

「7月25日に行われたビッグモーターの保険金不正請求に関する記者会見で、兼重宏行社長と息子の副社長の辞任が発表されました。ですが、その席には社長の姿こそあれ、副社長の姿はなかった」

 そう呆れ顔で話すのは、全国紙社会部記者。

 いわゆる“とんずら”をしたのは、兼重宏一元副社長(35)だ。5年前から社長は裏方に回って副社長に経営の全権を委ねていたので、ビッグモーターを実質的に指揮していたのは宏一氏。その責任は最も重かったはずだが、マスコミの前に一度も身を晒すことなく、雲隠れを決め込んでいる。

不正の背景には過剰なノルマや、理不尽な人事降格などがあり、宏一元副社長も部下の社員を叱責するLINEの内容がパワハラだと報じられている。その内容は“死刑”を18回連呼するといった常軌を逸したものだった」

 父親の社長は豪腕であったが、たたきあげの苦労人でもあり、そのカリスマ性で社員に慕われている側面もあったが、

「かたや、お坊ちゃん育ちの2代目。頭はいいが、イヤなやつという印象しかないようです」

 山口県岩国市で生まれた宏一氏。高校になると、故郷を離れて、全国でも指折りの名門私立校に進学した。同級生に話を聞くと「交流がなかったので、よくは知らないが」と前置きをしつつ、

「確か文系のクラスだったと思う。部活には入っておらず、帰宅部だった。巷間の報道で言われているような、悪いやつではなかったですよ」

地味というか、若干だけど陰湿な感じ

 一方、別の同級生は、真逆の見解だった。

「地味というか、若干だけど陰湿な感じがしましたね。報道では“卑怯者”と言われていますが、昔からそういうタイプだったと思いますよ」

 高校を卒業して早稲田大学商学部を出ると、大手保険会社へ入社。その後、ビッグモーターに移ると、3年後にはMBA(経営学修士)を取得し、2代目社長として帝王道を順風満帆に歩んでいた。

「独身貴族で横浜市の“60億円豪邸”に両親と住んでいた。一部報道では最近、結婚して妻とともに同居しているとも」(前出・社会部記者)

 35歳といえば立派な大人だ。父親の後ろに隠れずに、元副社長として正々堂々と会見を行えば、宏一氏の地に落ちた評判はいくらか回復するのではないだろうか。