多忙を極め、国会議員としての責任も重い。もちろん休憩も必要(本人インスタグラムより)
多忙を極め、国会議員としての責任も重い。もちろん休憩も必要(本人インスタグラムより)
【写真】ベッドに横たわり疲れ切った様子の水道橋博士

 実は「うつ病を患うのはこれで4度目」という水道橋博士。1度目は2011年の震災の年で、2度目は2014年に発症。3度目は2018年秋で、「格闘技のイベントに出て前歯を3本折られて。そのとき作った入れ歯が調子が悪くて、しゃべりにくくなっちゃって。しゃべる職業なのでそれはキツかった」。

公表するのは抵抗があった

 このときは「体調不良」を理由に休業、入院治療をした。うつ病は度々経験してきたものの、今回は議員という公の立場での発症だ。うつ病を公表したのも初めてだった。

もちろん公表するのは抵抗がありました。社会的にも話題になるだろうし、芸人の場合は復帰したとき笑いにくくなるので大抵“体調不良”を理由にすることも多い。

 でも今回ギブアップしたのは、希死念慮(死にたいと願うこと)があったから。今まではなかったけれど、今回はそこまで考えた。病気を抱えつつごまかしながらできる場合もあるじゃないですか。だけどもう議員という要職になるとごまかしようもなくて、死んで詫びたいという気持ちになった

 過去の経験と照らし合わせ、客観的に「これは最悪の状態だ」と気づく。れいわ新選組の山本太郎代表と深夜、電話で相談し、すぐに休職を決めた。

 論理的な思考はできず、話もできず、布団から起き上がることすら難しい。うつ病に罹患したときの症状を「コンピューターのOSがバンと落ちた状態」だと表現する。

「完全なブラックアウトで何も機能しなくなる。OSがまったく動かない状態です。脳が働かなくなって、喜怒哀楽はなくなり、すべての気力が失われてしまう。風呂にも入れないし、お腹も減らず、気づけば夜になっている。食事をする気力もなくて、10kgくらい痩せました。そこからまた15kg太りましたけど(笑)

 休職中は家にこもり、ひたすらテレビやYouTubeを見て過ごす日々。そこでも政治関係の話題には触れないよう気をつけていたという。

自分を責めますからね。これは本来自分がすべきことだったと思ってしまう。うつ病患者の多くがそうですが、無限連鎖の妄想をするんです。悪い未来ばかり想像しては、何時間もずっと考え続ける。それが本当につらくて、精神的にも肉体的にも疲弊していく」